株式会社リクルートが運営するじゃらんリサーチセンターは、Z世代の旅行スタイルに関する新たな調査結果を公表した。この調査は、国内の宿泊旅行の現状と、Z世代が旅行に対して持つ価値観や意識を深く理解することを目的とし、2019年、2021年、そして2023年のデータを基にして、特にコロナ感染拡大の影響を考慮して分析が行われた。
この調査では、Z世代を1990年代後半から2010年生まれと定義し、対象となる20代(18歳~29歳)の行動パターンを明らかにしている。分析の結果、7つの異なる意識クラスターが明らかにされ、それぞれのクラスターが旅行時に重視する価値が示された。中でも、「地域体験交流タイプ」と「効率・欲張りタイプ」が特に注目された。
「地域体験交流タイプ」は、地域との深い関わりを求める傾向にあり、特にZ世代男性でその傾向が顕著であることがわかった。一方で、Z世代女性では「効率・欲張りタイプ」が最も多く見られ、効率的に多くの場所を訪れることを好む特徴がある。
コロナ禍をきっかけに、地域への貢献意識が大きく高まったこともこの調査で明らかになった。特に、「地域のためになることを選ぶ」という意識が男女ともに増加しており、地域との関わり方に新たな視点をもたらしている。また、地方への移住を検討する旅行に関する関心も高まっていることが示された。
Z世代の地域との深いかかわり方は、旅行スタイルだけでなく、地域課題への取り組みや消費行動にも影響を及ぼしている可能性がある。今回の調査結果は、地域活性化や次世代の地域産業への新しい価値提供について、重要な示唆を与えるものとなっている。
調査結果の詳細は、じゃらんリサーチセンターが発行する「とーりまかし別冊 研究年鑑 2024」にて公開されている。この研究は、Z世代の旅行に関する意識と行動の変化を捉えることで、新しい時代の観光と地域振興のあり方を模索するための基盤となる。