株式会社リクルートの観光に関する調査・研究を担当する地域振興機関『じゃらんリサーチセンター』が、全国のDMO(観光地域づくり法人)・自治体を対象に、2024年のインバウンド市場における注力ターゲットに関するアンケート調査を行い調査結果を公表した。
調査の結果、注力市場は昨年と変わらず「台湾」「豪州」「米国」がトップ3を占めた。ターゲットは明確であるがインバウンドに関連して現在課題に感じていることの第1位は、「受け入れ整備」で68.9%の人が回答した。これは人手不足課題(65.5%)を上回る結果だ。
これらの課題に対処するため、受け入れ整備では、観光事業者が業務工数の最適化を図る方法や、旅行者が快適な旅をするための取り組みが行われている。具体的な地域事例として、神奈川県箱根町では「HAKONE DMO Touch!」というスマートフォン向けサービスを用いて観光客の需要予測に基づいてバスの運行数を調整し、観光客のスムーズな周遊に取り組んでいる。また、東京・有楽町のベーカリーでは、多様な国からの客に対応するために、多彩な決済が可能な「Airペイ」を導入した。
人手不足の対処策は、業務の細分化や短時間のプチ勤務の導入などが実施されている。岐阜県高山市では、宿泊施設の業務を細分化し、0円で求人募集ができる「Airワーク 採用管理」を活用して地域内外からの人材を短時間のプチ勤務として募集することで人手不足に対処した。
2023年の年間訪日外客数は 2500 万人を超え右肩上がりで急回復しており、今後も訪日外客数の増加が見込まれている。デジタルツールの活用や高付加価値なサービスを提供し、地域側の受け入れ体制を整えることがさらに重要となる。