株式会社アクティビティジャパンは、2024年の人気アクティビティランキングを発表した。2024年は「手軽さ」を重視したアクティビティが注目されている。また、インバウンド需要が拡大したことにより、特定の地域や季節ならではの魅力や日本文化や伝統工芸に触れるアクティビティが人気となった。さらに、SNSを活用した国内外への発信によりアドベンチャーツーリズムの拡大が後押しされていることも明らかとなった。
アクティビティ総合人気ランキングの上位には「シュノーケリング」「SUP(スタンドアップパドルボード)」「体験ダイビング」などが名を連ね、透明な海や湖、川で自然を楽しめる手軽さが人気の要因である。「海釣り」も初心者でも道具をレンタルして気軽に参加できる点や、特別なひとときを過ごせる魅力が評価されている。また、9位の「無人島ツアー」は前年比280%増という急成長を遂げており、日常の喧騒を忘れることができるなどといった理由から20代女性を中心に支持を集めている。さらに10位の「陶芸体験」では、「はにわづくり」や「泥団子づくり」などユニークな体験が注目を浴びている。
アクティビティの体験先となる地域別ランキングでは、沖縄や北海道が上位を占め、豊かな自然の中でのアウトドア体験が人気を博している。一方、東京や京都、大阪といった都市部では伝統文化や意外性のある体験が支持を集めている。特に東京では「森林での昆虫採集」プランが親子連れに好評で、前年比290%の予約増加を記録した。また、地方都市や沿岸エリアでは「海釣り」が地域の新たな魅力として注目されている。
さらに、インバウンドに着目すると、訪日外国人旅行者数は2024年10月に単月で過去最高の331万2,000人を記録し、アクティビティジャパンでも多言語サイトを通じた予約が前年の1.5倍以上に増加した。香港や台湾、韓国、シンガポールといった訪日リピーターが多い国からの予約が中心である一方、アメリカやオーストラリア、ドイツ、イギリスなど欧米豪からの予約も増加している。特に「シュノーケリング」や「SUP」「カヌー・カヤック」などのウォーターアクティビティが多くの地域で支持を得ているほか、「箸作り体験」や「鍛冶見学・鍛冶体験」などの日本文化を体験できるプランも前年比で大きく増加している。
また、インバウンドの人気アクティビティランキング上位に位置するシュノーケリングやSUPなどでは、SNS映えを重視した撮影プランが人気を牽引している。SNSが旅行情報源として重要視される中、インフルエンサーの発信や個人の投稿をきっかけに予約が伸びている。日本政府観光局(JNTO)が発表したデータによると、旅行情報源として「動画サイト」や「SNS」の利用が上位を占めており、各事業者もSNSを活用した集客に力を入れている。
アクティビティジャパンは、サービス開始以来19,000を超えるアクティビティプランを提供し、地域活性化に寄与してきた。さらに、「アクティビティ大使」を任命し、各地の魅力を発信することで、アドベンチャーツーリズムを推進している。この取り組みにより、国内外の旅行者が地域の自然や文化に触れる機会を創出し、地域独自の観光資源を活かした観光振興を目指している。