サイトアイコン HotelBank (ホテルバンク)

歴史的資源を未来へ活かす:那智勝浦町とシェアウィングが協定締結

(出典:株式会社シェアウィング

株式会社シェアウィングは、寺社に特化した宿泊・体験サービスブランド「OTERA STAY」を展開している企業である。このたび、那智勝浦町と歴史的建造物の活用、訪日外国人誘致、デジタルノマドの誘致を通じた観光振興および地域経済の発展を目的に、包括連携協定を締結し、その協定式を那智勝浦町役場で実施した。

協定の目的は、那智勝浦町が有する豊富な歴史的資源や自然資源を最大限に活用し、その価値をさらに高めることである。歴史的建造物の新たな活用方法を模索し、デジタルツールを活用した訪日外国人向け情報提供システムの導入、観光資源の保護と持続可能な活用を進める。具体的には、歴史的建造物を観光資源としてデジタル化するほか、修復および保存活動を行う。また、訪日外国人誘致のためのプロモーション活動、受け入れ体制整備、観光プログラム提供も予定している。さらに、デジタルノマドの誘致では、ワーキングスペースの整備や生活支援サービスの提供を進める。

那智勝浦町長の堀順一郎氏は、この取り組みについて「地域力創造アドバイザーを活用し、地域独自の魅力を高める重要なプロジェクトである」と述べた。さらに、現在世界で約3,500万人とされるデジタルノマドワーカーの動向を挙げ、2024年春から日本で開始されたデジタルノマドビザを活用し、こうした人々を地域に呼び込むことで経済活性化を図りたいとの意向を示した。

株式会社シェアウィングの代表取締役社長佐藤真衣氏は、同社が全国11カ寺で「OTERA STAY」を展開し、寺院の宿坊運営を支援していることを説明した。その一環として那智勝浦町の「Temple Hotel 大泰寺」を運営支援しており、同町との連携を通じて地域活性化を目指すと述べた。さらに、日本全国に約7.7万ある寺院の30%が30年以内に消滅する可能性があると指摘し、この危機感から歴史的資源を観光資源として活用し、その価値向上を図る重要性を強調した。

(出典:株式会社シェアウィング

また、大泰寺の住職である西山十海氏は、2019年に開業した「Temple Hotel 大泰寺」が観光客、とりわけ訪日外国人観光客に高い人気を得ている現状を紹介した。同寺では地域農家や事業者と連携し、農泊などの取り組みを進めており、それが評価され「持続可能な観光推進モデル事業」に選出された実績もある。西山氏は、那智勝浦町が有する歴史的資源のさらなる活用と、地域との連携を深めることで、今後も地域経済に貢献していく意向を示した。

モバイルバージョンを終了