株式会社昭文社ホールディングスの子会社である株式会社マップルと株式会社あっぱれは、国内の有形・無形文化財の利活用および文化観光の推進を目的として、2025年1月9日付で共同取組推進に関する覚書を締結したことを発表した。
マップルはこれまで観光地の集客や周遊促進を目的とした多くのプロモーション施策を展開してきたが、観光来訪者の目的が多様化する中で、地域が有する潜在的な観光資源の掘り起こしとその魅力発信が重要なテーマとなっている。特に、訪日インバウンド需要の高まりに伴い、日本固有の文化への関心が高まっており、和食や伝統芸能、郷土料理、伝統工芸技術、寺社仏閣や城郭などの有形・無形文化の魅力発信が観光振興における重要な要素として注目されている。また、自社運営する訪日外国人向けwebメディア「DiGJAPAN!」や、コミュニケーションツールとして身近なLINEを活用した情報プラットフォーム「デジタル観光パスポート」などを活用した国内外に対する情報発信力を強みに、全国各地の観光地や観光施設における集客、周遊促進プロモーション支援を数多く手掛けている。
一方、あっぱれは、日本各地の価値ある伝統文化の継承を目的に、文化財を活用した文化観光を推進しており、これまでに全国各地の関係者と連携して地域プロジェクトの実行支援を行ってきた。伝統文化の高付加価値化やグローバルな視点を取り入れた観光資源としての価値提供を通じて、伝統文化の継承と発展を目指している。
日本の伝統文化は、国内のみならず訪日外国人に対しても観光資源として大きなポテンシャルがあるが、地域によっては未だ広く認知されていないことも多く、文化財の価値に対して適切な対価を得られていないものも少なくない。日本が誇る伝統文化をしっかりと未来に受け継いでいくためにも、魅力的な観光資源として国内外への情報発信を強化し、来訪者を促しながらコンテンツとして収益化を図ることが重要だと考えられる。
このような課題に対し、これまでに日本を代表する有形・無形の伝統文化の観光活用プロデュースや伴走支援をしてきたあっぱれと、観光資源の魅力をさまざまな形で情報発信してきたマップルが連携することで、伝統文化の高付加価値化と地域観光振興に向けた価値あるソリューションが展開可能であることから、両社は連携して、自治体や観光関連団体向けに地域の有形・無形文化の観光活用を軸としたソリューションを提供することを決定した。
具体的には、あっぱれが文化財の観光活用に関する企画プロデュースや伴走支援、収益化に向けたプロダクト開発を担い、マップルが記事コンテンツ制作や自社メディアを活用した情報発信、プロモーション戦略を担当する。また、関連事業者との連携を強化し、ツアー造成や物品販売を通じて文化財の体験価値提供と収益最大化を目指すとしている。
さらに、農村や漁村の文化的景観や民俗芸能、伝統技術などの体験施設に訪問客を促すことで観光客の分散化を図り、オーバーツーリズム対策にも貢献することを目指している。これにより、各地域の課題解決とともに、文化財の魅力を国内外に広く発信し、観光資源としての価値を高める方針である。
両社は、各地域が保有する日本の伝統文化の潜在需要を引き出し、その継承と地域経済の発展に寄与することを目指している。