株式会社リクルートが運営する観光に関する調査・研究、地域振興機関「じゃらんリサーチセンター」は、国内宿泊旅行マーケットの活性化の貢献を目的として旅行者の旅行意欲や行動予定を定期的に調査している。JRCが実施した調査結果をまとめた「国内宿泊旅行ニーズ調査 2024夏」の結果を発表した。
この調査では、2024年現在の人口構成比モデルに基づいて選ばれたアンケート対象者に対して、1カ月間の休暇が取得できた場合、国内旅行や海外旅行にどの程度の期間行きたいかを尋ねた。調査の結果、「1週間程度」と回答した人が24.1%で最も多く、「2~3泊程度」が23.2%と続く。旅行希望者に関してはどの世代もおおむねこの2つに集中する傾向があった。また、「2週間程度」と回答した人は11.1%、「旅行には行かない」と回答した人は18.0%であった。
研究員の解説によると、日本人は長期旅行をしないという印象があるものの、その要因ははっきりしていない。休暇が少ないからなのか、旅行への関心が低いのか、長期休暇の制度が整っていないからなのか、さまざまな要因が考えられる。今回の調査では、仮に1カ月の休暇が取れるとした場合の旅行期間について尋ねたところ、「1週間程度」が最も多く、次に「2~3泊程度」となった。じゃらんリサーチセンターが実施する「じゃらん宿泊旅行調査」では、「1泊2日」の旅行が多いという現状があるが、それに比べると若干長期の旅行を希望していることが分かる。
この結果から、まずは「2泊3日程度の旅行を気軽にできる社会の風潮」が望ましいと考えられる。旅行に使える可処分所得の増加も重要であるが、働き方改革の一環として有給休暇の取得促進も必要だ。特に、パートナーや子どもと休日が異なるケースなど、多様な家族形態に対応した休暇取得も求められる。将来的には、1週間以上の連続休暇が一般的となることで、旅行やレジャーはもちろん、その他の私生活の充実も図れる社会に近づくことが期待される。
また、旅行マーケットの活性化という観点から、「旅行には行かない」と回答した若年男性が比較的多かったことにも注目すべきである。マーケットの変化や生活者が本当に求めているものを見極めることが、今後ますます重要となるであろう。
今回の調査は、インテージのインターネット調査モニター「マイティモニター」を対象に、2024年5月9日から5月13日にかけて実施された。調査対象者は、2020年度の国勢調査に基づき、インテージが独自に算出した2024年現在の人口構成比モデルに沿うよう、全国9ブロックごとに性別および年齢別に割り付けられた。詳細な調査報告書は、リクルートのプレスリリースウェブサイトで公開されている。
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