株式会社オプテージは、九州産業大学地域共創学部観光学科田代雅彦教授のゼミと連携し、福岡県田川郡添田町において、産学官が連携する観光デジタルマーケティングの取り組みを開始した。この取り組みは、添田町の来訪者の属性情報やインサイト情報をデジタル技術を活用して収集・分析することで、持続可能な地域の活性化モデルを構築し、Society5.0時代に相応しいローカル地域のデジタルマーケティングを確立することを目的としている。
ローカル地域が持続的にデジタルマーケティングを進めるためには、デジタルマーケティングによる戦略的な施策の展開が前提となる。その上で、コストやスキル的に容易に活用できるデジタルマーケティングツールの適用、デジタルマーケティングのスキルを持つ人材の育成・確保、地域が一体的に進める活性化の機運醸成という3点が不可欠であり、これらを同時に展開するモデルを実践することとしている。
本取り組みでは、オプテージと沖縄JTB株式会社が共同で開発・展開しているデジタルマーケティングツール「Taview」を活用する。「Taview」は、二次元コードを用いたスマートフォンで参加するスタンプラリーや抽選イベントにより地域内の周遊を促進し、スマートフォンのイベントアクセス追跡とアンケートで収集した参加者の属性やインサイト情報を基に、クラスター別の行動傾向やインサイト傾向を分析できるツールである。高度なデジタルや分析スキルを必要とせず、地域の活性化を担う人々が現状の体制でデジタルマーケティングを開始・継続できることがコンセプトとなっている。
この取り組みは、デジタルマーケティングのスキルを持つ人材の育成・確保を目指し、九州産業大学の学生への実践的教育の場としても位置付けられている。オプテージは豊富な実績とノウハウを活かし、概論から調査設計、データ収集、分析に至る一貫した実践型講義を提供している。添田町観光連盟が主催する「そえだ巡りデジタルスタンプラリー」(7月20日から9月23日まで)では、「Taview」を活用して地域の周遊を図りながら、学生が作成した調査設計に基づくマーケティングデータを収集する。その後、学生と共に収集したデータを分析し、年内を目途に分析結果を報告する予定である。
本取り組みの分析結果は、添田町地域の観光関係産業の従事者などに共有される。これにより、取り組みの拡大の検討や機運醸成に繋がり、ステップアップを図って自走・持続可能な仕組みが確立されることを目指している。また、このモデルを他地域でも活用可能にすることを目指している。