静岡県熱海市は株式会社JTBと共同で、交流人口と関係人口の拡大を目指し包括連携協定を締結した。そして、その取り組みの一環として、個人旅行向けブランド『意外と熱海』をビジネス利用向けにリブランディングし、新たな事業『意外と熱海 for Biz』を開始した。これに伴い、2024年7月29日からタクシーサイネージメディア「TOKYO PRIME」で広告動画を配信する。
『意外と熱海』は、2013年から3年間にわたりJTB中部が推進した観光ブランド・プロモーション事業であり、熱海の隠れた魅力を効果的に発信することで、来訪者数の増加と満足度の向上を目指した。その結果、2016年度の宿泊者数は301万人を達成し、2013年度に立てた目標を大幅に上回る成果を上げた。特に20〜34歳の女性の増加により、観光・宿泊施設の休日稼働が増加し、『意外と熱海』は個人旅行向けブランドとして確立された。しかし、平日と休日の稼働率の差が課題となり、ビジネス需要を中心に、インバウンドや教育旅行の誘客を図るためにリブランディングが行われた。
『意外と熱海 for Biz』は、研修プログラムや会議・研修会場、ワーキングスペース、宿泊施設、体験コンテンツの紹介や予約などをワンストップで提供する事業である。法人担当者の悩みを解決する「『意外と熱海 for Biz』Service Desk」も開設され、法人利用情報サイトも運営されている。
企業が抱える課題の中で、人材の強化や従業員の満足度向上が重要視されている現状に対し、熱海市はビジネス利用に最適な環境を提供する。都内から1時間圏内で豊かな自然と食、温泉を楽しめる立地は、非日常を体験するのに理想的である。
また、コロナ禍以降、ワーケーションを通じた企業価値や社員エンゲージメントの向上に取り組む企業も増えており、熱海市はそのニーズに応える地域となっている。さらに、熱海市は歴史的にも政治やビジネスで利用されてきた場所であり、地方創生の先進地としても注目されている。地域課題解決に取り組むリーダーや起業家が存在し、企業研修やワーケーションのフィールドとして多くの学びを提供している。
越境学習は、課題先進地域と呼ばれるローカルなフィールドへの越境体験を通じて、社員の経営視点への視座の変化やスピーディーな試行錯誤の経験、社会的課題への貢献実感を得ることを目的として行われる。地域課題解決というソーシャルな現場と、その中でビジネスとして実践を続ける地域経営者・起業家との関わりを通じて、自身のキャリア観の自己理解はもちろん、相対的に所属する企業のビジョンや強みも再認識する機会ともなるのである。
さらにタクシーサイネージメディア「TOKYO PRIME」で配信される今回の広告動画は、次世代リーダーとなる年代層をターゲットに、熱海の魅力をフィールドワーク風に表現し、昨年の講演風景も織り交ぜることでリアルな内容を目指している。