TSP太陽株式会社は、総務省が推進する「地域活性化起業人制度」を活用し、和歌山県白浜町と2025年5月30日に協定を締結した。この協定により、社員1名を白浜町へ派遣し、自治体と連携しながら地域が抱える課題の解決に取り組む。広報PR業務の推進と事業企画を通じ、地域の観光資源を活用した継続可能なイベントを実現し、地域の魅力を発信して地域活性化を目指す。
TSP太陽株式会社は、年間1,100件以上のイベントに関わるイベントプロデュース会社として、地域の特性を活かしたまちづくりを行ってきた。これまでの経験とノウハウを活かし、白浜町においても広報PRや事業企画に注力し、地域創生に貢献している。SDGs目標11の「住み続けられる街づくりを」はもちろん、イベントで使用した廃材や備品のリユースによる目標12「つくる責任、つかう責任」、廃棄物削減とCO₂削減による目標13「気候変動に具体的な対策を」など、複数のSDGs達成に寄与する取り組みを展開している。さらに、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に基づき、白浜町との連携を強化しながら、持続可能な地域づくりを進めている。
白浜町は観光客数が多い一方で、日帰り客の多さや季節による集客の偏り、少子高齢化や労働人口の減少といった課題を抱えている。これらの課題に対応するため、TSP太陽株式会社はこれまでも地域資源を活用したイベントを実施してきた。2020年12月から2021年1月にかけて開催した「南紀白浜パンダバンブーEXPO.2020」では、パンダの主食である竹を活用したアート作品を町内の観光施設や駅、空港に展示し、初日には専門家やアーティストが集まるシンポジウムを開催した。このイベントは年間約100トンにも及ぶパンダが食べない竹幹を有効活用し、地域PRとSDGs達成を同時に実現する取り組みであった。
さらに、2021年11月6日~7日と12月9日~10日に「南紀白浜おしごと体験ツアー」を実施し、子どもから大人までが地域の観光資源を活かした職業体験を通じて白浜町の魅力を学び、地域とのつながりを深めた。この体験ツアーは、ホテル業や漁業、農業、空港やテーマパークといった多様な地域資源を活用し、関係人口の拡大を図ることを目的としている。参加者からは、旅行だけでは得られない白浜町の新たな魅力を発見できたと好評を得た。
地域活性化起業人制度は、地域の活力創造と地方再生を目的とし、都市部企業の社員を地方公共団体に派遣することで地域の魅力向上に貢献する制度である。TSP太陽株式会社は、これまでの取り組みと今回の制度活用を通じて、白浜町と協力しながら地域資源を最大限に活かした持続可能な地域活性化に取り組んでいく考えである。