(出典:伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社)
伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社は、地域資源を活用した持続可能な取り組みの一環として、食品関連の事業所から排出される食品由来のごみや廃棄物を堆肥化しブドウ栽培に活用する「循環型食品連鎖」の推進に取り組んでいる。2025年度にはその一歩として、鳥羽国際ホテル潮路亭の敷地内でブドウの栽培を開始した。将来的には、施設で提供される料理に使用された伊勢海老やアワビの殻などを再資源化した堆肥から生まれたワインを、宿泊客へ提供する計画である。
(出典:伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社)
この循環を支える肥料には、伊勢志摩ワイナリーと連携し、ミネラルやカルシウムを多く含んだ良質な堆肥が使用される。また、ブドウ棚には放置竹林の竹を活用し、地域の環境問題にも配慮している。このような取り組みは、海と山に囲まれた伊勢志摩という土地ならではの恵みを、次世代につなぐサステナブルな挑戦である。
(出典:伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社)
伊勢志摩リゾートマネジメントが注力するSDGs目標は「12:つくる責任 つかう責任」「14:海の豊かさを守ろう」「15:陸の豊かさも守ろう」の3項目であり、自然環境への配慮、地域との連携、次世代育成の観点から多様な活動を展開している。例えば、施設敷地内の海岸清掃や、食品ロス対策として見た目の悪いスイーツの再活用、地域学校と連携した食育・環境教育の実施などである。
(出典:伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社)
また同社は、社員の提案を積極的に取り入れる社内提案制度や、「SDGsアイデアコンテスト」の継続的な開催を通じて、組織全体で持続可能な取り組みを内発的にも育んでいる。こうした活動は、地域住民や訪問者を巻き込みながら、伊勢志摩の自然と共生する観光のかたちを模索する実践例といえよう。
今後、ブドウから生まれたワインが食卓を彩る日が訪れれば、それは「食べる」から「育てる」へとつながる、地域循環のひとつの成果となるだろう。伊勢志摩リゾートマネジメントは、自然・人・地域が共に未来を築くサステナブルな観光のあり方を体現し続けている。