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「旅」と「仕事」を両立する新しい夏のかたち:「おてつたび」夏特集2025が始動

(出典:株式会社おてつたび

株式会社おてつたびは、2025年6月20日より「おてつたび 夏特集 2025」を開始した。同社が展開するサービス「おてつたび」は、短期アルバイトを通じて地域に滞在し、仕事をしながら旅を楽しむという新しい旅のスタイルを提案している。

旅行費用の高騰が続くなか、「お金がないから旅行に行けない」と旅を断念する人が増加している。一方で、夏は観光地や農村地域にとって最も人手を必要とする繁忙期であり、宿泊施設や農業の現場では慢性的な人手不足が課題となっている。そうした双方のニーズをつなぐ手段として「旅」と「仕事」を組み合わせたおてつたびの仕組みは注目されている。

(出典:株式会社おてつたび

このサービスでは、参加者が地域の宿泊施設や農家で短期アルバイトとして働きながら、その土地ならではの自然や文化、人との出会いを体験できる。交通費は自己負担だが、宿泊費は原則無料で、労働による収入も得られる仕組みだ。求人は最短1泊2日から最長2ヶ月未満まで幅があり、平均滞在期間は約14日間となっている。

実際の利用者からは、地域との交流や非日常の体験を通じた充実感が語られている。2024年8月に海のレストラン「株式会社イルグラーノ」で参加した20代女性は、生活環境への不安を抱えつつ島での生活をスタートしたが、地域の人々の助け合いや職場の雰囲気に支えられて、充実した日々を送ったと述べている。業務面では、自らの関心に応じたシフトに柔軟に対応してもらい、仕事後の時間も美術館に行ったり自然を楽しんだりと有意義に過ごしたという。

また、同年8月に福井県のリゾート施設「休暇村越前三国」に参加した50代女性も初めてのおてつたびを通じて、忙しいながらも貴重な労働体験を得たとしている。広い厨房でプロの料理人と共に作業を行い、作業の合間の会話や賄いの時間など、人とのふれあいが旅の大きな魅力になったと語る。中休みには周辺観光を楽しむなど、日常では得られない経験を通じて地域への愛着が生まれたことが伝わる。

(出典:株式会社おてつたび

「おてつたび」の登録者数は、2021年の5,000人から2025年6月時点で79,000人にまで増加し、利用者層もZ世代の若者にとどまらず、早期退職者や子育てを終えた主婦層、さらにはシニア世代にまで広がっている。物価高やテレワークの普及、地方移住への関心の高まりなど、社会的背景が利用者層の拡大を後押ししている。さらに、FIRE志向や人生100年時代における多様な生き方を求める中高年層の参加も顕著である。

「おてつたび」は、地域の人手不足という課題に対して、旅を通じた労働力の提供という形で人の流れを生み出している。単なる観光にとどまらず、訪れた人々が地域とのつながりを持ち続ける関係人口として定着していく可能性も高い。実際、アンケート調査では、参加者の81%が「訪れる予定のなかった地域」に滞在し、70%がその地域を初訪問だったと回答している。さらに86%が「再訪したい」と答えており、短期間の滞在をきっかけに、地域との継続的な関係が生まれていることがうかがえる。

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