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鳴門市が進める「半農半X」体験、らっきょう収穫で広がる地域とのつながり

(出典:鳴門市役所)

徳島県鳴門市では、地域への移住促進と関係人口の創出を目的として、「半農半X」推進シェアハウス事業を展開している。本事業は、スタートアップ企業である株式会社おてつたびが提供するマッチングプラットフォームと連携し、全国からの参加者に農業体験と地域交流を提供するものである。

「半農半X」とは、農業を基盤にしながら、自分の得意分野(X)を活かして暮らすライフスタイルを指す。本市ではこの考え方をベースに、移住希望者へ実践的な体験機会を提供する取り組みを進めており、これまで「なると金時」や「いちご」などの収穫期にあわせて実施し、参加倍率は平均4倍以上と高い関心を集めている。

2025年度の春には「鳴門らっきょ編」が実施され、5月2日から15日までの2週間、全国から7名の参加者が集う。参加者は20代から50代まで幅広く、福岡、大阪、京都、奈良、石川、岐阜など各地から移住意欲の高い人々が集結している。午前はらっきょうの収穫や砂落とし、午後は選別や洗浄、袋詰め作業などを行い、地域農家の一員として汗を流す日々を送る。

(出典:鳴門市役所)

鳴門市ならではの「渡船通勤」にも注目すべきだ。市が無料で運行する渡船を利用して通勤する光景は、参加者にとって非日常的な体験であり、旅と暮らしが交差する本事業の象徴的な要素となっている。

また、初日には市による観光案内も実施され、滞在中は職員が生活面のサポートにあたるなど、移住に向けた不安の解消にも力を入れている。実際に本事業を通じて地域との関わりを深め、移住を具体的に検討する参加者も少なくない。

今後も「鳴門らっきょ編」は5月16日から6月2日まで第2期として7名の受け入れが予定されており、継続的な体験機会の提供が計画されている。地方の魅力を実感しながら、生活と仕事を体験する本プログラムは、今後の地方創生のモデルとして注目される存在である。

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