新型コロナウイルスの感染が深刻化している現状を受け、1都3県の知事らが政府に緊急事態宣言の発令を要請した。
1月2日、東京都の小池百合子知事、神奈川県の黒岩祐治知事、千葉県の森田健作知事、埼玉県の大野元裕知事ら4人が、西村康稔経済再生相と会談した。
知事らは、新型コロナの感染拡大が続いている事態を訴え、緊急事態宣言を発令するよう政府に求めた。小池都知事は、現状の不要不急の外出自粛抑制や飲食店への時短営業要請には一定の効果があることを認めつつも、首都圏の新規感染者数や医療体制のひっ迫具合を考慮すると、「ただちに徹底した人流の抑制」を行う必要があると述べている。
緊急事態宣言が発出された場合、各都道府県知事は「住民に外出自粛を要請」できるほか、「学校や福祉施設などの使用停止の要請や指示」、「臨時医療施設の土地や建物の強制使用」といった措置が実施可能となる。
また、娯楽施設やイベントに対しても制限や停止が要請される可能性がある。制限要請の対象となる施設の条件の1つが、建物の床面積が1,000平方メートル以上であること。ホテルや旅館も例外ではない。
一方、要請指示が出たとしても強制力はないため、緊急事態宣言の効果を疑問視する声もある。経済再生を重視する政府も景気の落ち込みを懸念し、なかなか発令に踏み切れないのが現状だ。