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京都市:築100年超の京町家を宿泊施設兼社宅として活用へ

京都市では令和2年度から、所有者から借り上げた京町家を活用事業者に転貸し、民間の力で改修・活用する「京町家賃貸モデル事業」を実施している。今回、下京区にある築100年を超える京町家が、モデル事業の第3号案件として活用事業者に公募され、宿泊施設兼社宅として改修・活用されることとなった。

(出典:京都市

この京町家は京都市下京区上珠数屋町に位置し、建築年代は不詳であるが、明治9年には存在していた記録があるため、築147年以上の建物である。延床面積は94.86平方メートルであり、京町家条例に基づく指定地区(本願寺界わい京町家保全継承地区)内にある。この京町家は明治期に建てられた平屋建てで、長年住居として貸家となっていたが、前居住者が退去してから数年間空き家となり、老朽化が進んでいた。賃貸借期間は20年の定期借家契約であり、期間終了後は活用できる状態で所有者に返還され、その後も賃貸で活用される予定である。

(出典:京都市

本京町家は活用事業者に転貸され、宿泊施設兼社宅として利用される予定である。隣地に建つ元宿泊施設と一体的に利用される計画であり、本京町家は別邸、隣地の元宿泊施設は本館として利用される。また、一部は事業協力者である株式会社NAZUNAの社宅として利用され、若い世代の従業員が地域住民として地域の活気を支える担い手となる。改修中は「大工・木材」をテーマにした工事の進捗状況をSNSで発信し、次世代の京町家大工職人の育成を兼ねた改修工事も行う。改修後は、周辺住民や入居者、宿泊客、関係者の交流の場として完成披露イベントをはじめ、継続的に地域と連携したイベントを開催し、門前町エリア全体を盛り上げる計画である。

(出典:京都市

このモデル事業の目的は、担い手が見つからない京町家について、京都市が借り上げて活用事業者に転貸し、民間の力で保全・継承を推進することである。住宅やオフィスとして活用し、入居者がSNSなどで京町家の魅力を発信することで、京町家の担い手を育成する。また、京町家の活用方法について広く認知や理解を広め、現在使用されていない京町家の保全・継承に向けた機運を高めることを目指す。京都市は固定資産税及び都市計画税相当額の1.5倍を最低額として、活用事業者から提示された条件により算出した額で京町家を借り上げ、同額で転貸する。活用事業者はリノベーションや維持管理を行い、その費用は事業者が負担する。

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