11月21日、官邸で開かれた新型コロナウイルス感染症対本部にて、菅首相は感染拡大地域を対象に、観光需要喚起策「GoToトラベル」事業の予約を一時停止すると発表した。
感染者の急増にともない、運用の見直しが求められていた政府主導の観光需要喚起策「GoToトラベル」事業。菅首相は見直しに対し慎重な姿勢を見せていたが、国内の新規感染者が4日連続で2,000人を超え、方針の修正を迫られた形だ。
菅首相は本部会議後の会見で、新型コロナの感染について、「最大限の警戒状況が続いている」として、昨日の新型コロナ分科会で出された「短期間に集中し、感染リスクの高い状況に焦点を絞り対策を行うべき」との提言を踏まえ、迅速に対策に出ると述べた。
具体的には、「GoToトラベル」事業は感染拡大地域を目的地とした旅行の予約を一時停止する。「Go To EAT」事業は、プレミアム付き食事県の新規販売を一時停止し、ポイント利用についても控えるよう検討を要請。また、飲食店へ営業短縮などを要請する場合は、地方創生臨時交付金の500億円を追加配分することで支援するという。
また、国民に対してもマスクの着用、手洗い、3密の回避といった基本的な感染対策を徹底するよう協力を呼び掛けた。
なお、実施時期の詳細や具体的な該当地域については説明されなかった。西村経済再生担当相は、各地域の感染状況を踏まえた上で、知事らと緊密に連携しながら対応を検討していくと発言している。今後の展開については都道府県ごとの発表を待つ必要がありそうだ。