東横インは、5月18日にフランス・マルセイユにて「東横INNマルセイユ サン シャルル駅前」を開業した。2008年の韓国進出を皮切りにスタートした東横インの海外展開。ヨーロッパではドイツに次ぐ2軒目、初のフランス進出となった東横インの海外展開戦略とフランスでの新規出店に迫る。
東横インの海外展開
東横インは1986年に東京蒲田に1号店をオープン以来、宿泊特化型のビジネスホテルとして「清潔、安心、値ごろ感」を掲げ、現在、総客室数56,788室と日本国内最大級の客室数を持つホテルチェーンへと成長している。
海外展開については、2008年に韓国、2015年にカンボジア、2017年にドイツとフィリピンの各国にそれぞれ初出店し、ヨーロッパでは「東横INNフランクフルト中央駅前」(2017年3月オープン)に次いで2店舗目、フランスでは初となる「東横INNマルセイユ サン シャルル駅前」を5月18日開業した。
東横INNマルセイユ サン シャルル駅前
「東横 INN マルセイユ サン シャルル駅前」は、マルセイユの主要駅であり高速鉄道 TGV が乗り入れるマルセイユ サン シャルル駅から徒歩 5 分、マルセイユ・プロバンス空港からバスで40分の好立地。
客室はシングル、コンフォートシングル、キングダブル、エコノミーツインほか、障がいのある方や高齢の方も使いやすいよう工夫を施した「ハートフルルーム」を用意し、安全面にも配慮した。全室にバスタブ、シャワートイレ、個別エアコンを設置、「無料朝食サービス」など、設備もサービスも 日本国内の東横 INN クオリティをそのままに、またフランスにおいても女性の感性を活かしたホテル運営を意識して提供する。
バスタブやシャワートイレ(ウォシュレット)は日本のホテルでは標準装備だが、海外では珍しく、日本人のフランス渡航者が利用するにはありがたいものとなりそうだ。
海外市場の開拓
東横インは世界どの店舗も基本的な装備を同じくしており、日本式の標準サービスを維持しながら海外展開している。これにより、アウトバウンドで海外渡航する日本人の利用獲得をすると同時に、進出先で日本で培ったサービスを元に日本人以外の旅行客の獲得を合わせて狙っていく戦略。
東横インは、2012年からは創業者の娘である黒田麻衣子社長のもと、アニメ・ゲームなどの日本の大衆文化への関心の高まりに後押しを受けて、今後米国のニューヨークやモンゴルのウランバートル(2018年7月予定)、ソウルでの店舗数拡大を含めたさらなる海外展開をはかる方針を示している。
東横インの業績については、
出典:東横イン
上記の通り、東横インの2016年度の売上高は、81,970百万円で前期対比1,829百万円の増加となり経常利益17,446百万円、当期利益9,876百万円と前期から横ばいかやや減少しているのがわかる。
2017年度の発表はまだされていないが、積極的な国内の新規出店を続けながらも、外国人観光客が増加しているものの国内旅行客の減少によりマーケット全体としては日本市場の縮小傾向も見込まれ、ホテル供給過剰との懸念もされる日本市場を睨みながら、同時に海外展開をはかることでさらなる潜在的市場の拡大を狙っているものと言えるだろう。
同ホテル概要
出典:同ホテル公式HP