周辺には人気観光スポットの沖縄美ら海水族館や、世界遺産である今帰仁城跡があり、大型クルーズ船に対応した旅客施設の整備が予定されている本部港にも至近であることから、沖縄を代表する観光エリアとして、将来のさらなる発展が期待されている。
本計画は、森トラストが開発を担当し、ヒルトンが約300室のホテルを、ヒルトン・グランド・バケーションズが132室のタイムシェア・リゾートを所有・運営するもので、ヒルトン・ホテルについては2020年、タイムシェア・リゾートについては2021年の開業を予定する。
計画概要は以下の通り。
出典:森トラスト
スパ、フィットネス、会議室を備える大規模リゾート施設
ヒルトン・ホテルおよび、タイムシェア・リゾートは、いずれも美しい海を一望出来る全室オーシャンビューとなっており、海に沈む夕日を楽しむことができる。
ホテルは2つのレストランとラウンジ、バー、チャペル、会議室、スパ、フィットネス施設、ビーチハウスなどを備え、また、タイムシェア・リゾートでは、各部屋にキッチンを完備し、専用プールなどリゾート内の全施設が利用出来る。
出典:ヒルトン
都道府県別の路線価上昇率でトップの沖縄
このほど発表された国税庁の路線価で沖縄県は、都道府県別で路線価の上昇率がトップの 5.0%と大幅な伸びを示した。伸び率は前年の3.2%より1.8ポイント拡大したことになり、4年連続の上昇となった。
沖縄は好調な観光や低金利を背景に、国内外の業者によるホテル・マンション向け用地の取得が旺盛で、高値での土地取引が増加したことが背景にある。
那覇市や恩納村などの人気リゾート地ではホテルや店舗、マンション、別荘のための土地を求める事業者が増え、土地の供給が減ってきており、土地取引が那覇市などの中心部から割安とされる周辺の市町村へと広がってきている。
出典:森トラスト
同プロジェクトの所在する沖縄本島北部の瀬底島は、那覇空港からは車で100分ほどの距離に位置しており、南部の那覇市、中部の恩納村から北部へと観光開発が拡大を見せる。
沖縄県国頭郡本部町のホテル出店状況ー競合リゾート施設
同プロジェクトがある瀬底島は国頭郡本部町に所在している。
メトロエンジンリサーチによると、同町では現在、宿泊施設が176、客室数にして1,591が提供されており、種別でリゾートホテルが18店舗も展開している。
現在、トップの客室数を誇るのは、「ホテル マハイナ ウェルネス リゾート オキナワ」で、部屋数250で1泊の料金が20,000-45,000円ほどとなっている。
2位の「ホテル オリオン モトブ リゾート&スパ」は、部屋数238で30,000-70,000円ほど。
3位の「センチュリオンホテル沖縄美ら海」は部屋数94で30,000-50,000円ほどとなっており、いずれも各種設備の揃った高級志向のリゾートホテルだ。
同プロジェクトが完成するとヒルトン・ホテルとタイムシェア・リゾートを合わせると432室となりトップの部屋数となることがわかる。
メトロエンジンリサーチのレビュー分析によると上位3施設のいずれも評価が高いが、とりわけて、部屋数2位のホテル オリオン モトブ リゾート&スパの顧客からの評価は、料金も高いが全国でもトップクラスの高い評価を得ており、強力なライバルとなりそうだ。
また、同町では同プロジェクトの他にも、「アラマハイナコンドホテル」が100室で2019年1月に開業を予定しており、こちらもジム、スパ、プールなどを備えるリゾートホテルで、現在客室数トップのホテルマハイナウェルネスリゾートオキナワを運営する沖縄本社の前田産業ホテルズが新規開業を予定する。
「ハワイ超え」を果たして増加を続ける沖縄の観光客の獲得をめぐり各リゾートホテルがしのぎを削る展開となりそうだ。
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