新生活を始める際には、住居の賃貸契約が必要です。
しかし、仕事の出張などによって短い期間だけの生活になる場合、賃貸契約の締結や引越しには手間がかかります。
そんな限られた期間の生活に有効活用できるのが、「マンスリーマンション」といわれる物件です。
この記事では様々な角度でのマンスリーマンションと賃貸の違いを解説します。
自分の生活スタイルに合ったものが選べるよう、ぜひご覧ください。
マンスリーマンションと賃貸マンションの違いとは?
マンスリーマンションと賃貸マンションの違いには、以下のようなものが挙げられます。
- 契約期間の長さや契約方法
- 初期費用の有無や賃料
- 室内の設備環境
- 住民票を移すことができない
それぞれについて、具体的に解説します。
契約期間の長さや契約方法
賃貸住宅のひとつである賃貸マンションは、一般的に2年間の賃貸契約を締結します。
借地借家法によって「契約期間が1年未満の賃貸借については期間の定めがない」とみなされるため、契約期間を1年未満とする物件はないといえます。
賃貸契約を締結する際、物件によっては審査が厳しかったり保証人を立てなくてはならなかったりすることもあり、契約手続きが複雑になることも少なくありません。
一方でマンスリーマンションの契約は「月単位」で締結されます。これは先述した1年未満の賃貸契約において、区切られる期間として一般的なのが「月単位」ということで、特に法律等の定めによるものではありません。契約の際に保証人を立てる必要はなく、手続きも簡素なものが多いです。
「月単位」の契約となるマンスリーマンションと似たものとして、「週単位」で契約を締結するウィークリーマンションが思い浮かぶ方も多いかもしれませんが、ウィークリーマンションはホテルや旅館と同様に、旅館業法の適用を受けるため、マンスリーマンションや賃貸マンションとは異なるカテゴリになります。
混同しないよう注意しましょう。
契約の手間がかからないことによるリスクも
保証人不要や、比較的緩い審査で入居ができることで気軽に住み始められるのはマンスリーマンションのメリットだといえますが、その一方でさまざまな用途で利用する人が集まるため、生活リズムが合わなかったり、外国人利用客であれば文化の違いがあったりと、隣人とのトラブルが起こりやすい懸念もあります。
また構造上、防音性の低い建物も少なくはないため、生活音などが筒抜けになってしまうこともあります。
入居先を決める際には、そういったことにも注意しておくと良いでしょう。
初期費用の有無や賃料
賃貸マンションとマンスリーマンションには、費用面においても大きな違いがあります。
まず賃貸マンションは、敷金や礼金、場合によっては不動産会社への仲介手数料などの「初期費用」を支払わなくてはならないケースが多いです。
また、契約後は毎月定められた賃料を支払い、多くの場合契約の満期となる2年が経過するタイミングで、継続して住む際におよそ賃料1ヶ月分程度の更新手数料を支払う必要があります。
一方でマンスリーマンションを契約する際に初期費用は必要ありません。また、物件によって異なりますが、保証人を立てる必要がない物件も多く、急な滞在が必要になった際にも対応できるメリットがあります。
毎月の賃料は一般的に通常の賃貸物件よりも2割程度高いといわれており、また退去時には物件によって滞在期間の長さに応じた清掃費用がかかることもあるため、長期間の滞在には向いていないといえるでしょう。
なお、どちらでも共通して負担することになる水道光熱費について、マンスリーマンションの場合は毎月定額で賃料に組み込まれていることも多いため、その点においても違いがあります。
室内の環境整備
賃貸マンションとマンスリーマンションは、室内の設備においても大きな違いがあります。
賃貸マンションの場合、家具や家電などを揃える必要があり、元々住んでいた物件から引越しをする場合にはそれらも運び出さなくてはならないため、いずれにしても費用がかかってしまいます。
また、物件によってはインターネット回線も自身で契約しなくてはならず、引越しをする度に手間がかかります。
マンスリーマンションの大きな特徴は、家具や家電などが室内に取り付けられていることです。入居者は契約したその日から不自由なくそこで生活ができ、自分で揃えたり移動したりしなくてはならない賃貸住居とは大きく異なるといえるでしょう。
また最近では、インターネット回線が完備されている物件も多く、仕事で必要だという方も安心して新生活を始めることができます。
住民票を移すことができない
マンスリーマンションは一時的に滞在する場所としての利用を目的としているため、1年以上など長い期間契約する場合であっても、住民票を移すことはできません。マンスリーマンションの契約書には、住民票の異動が不可であることが明記されています。
住民票が移せない場合、公的な書類が必要になったときに不便だったり、各自治体ごとのサービスを受けられなくなってしまうなどのデメリットがあるため、あらかじめ覚えておくと良いでしょう。
ただし、郵便物の転送手続きは可能であるため、マンスリーマンションで暮らす間は郵便物がきちんと手元に届くよう手続きするのを忘れないようにしてください。
マンスリーマンションと賃貸マンションを値段比較してみた
東京・大阪・神奈川・埼玉・福岡で3ヶ月間利用した際のマンスリーマンションの平均価格と賃貸マンションの平均価格を比較すると、下表の通りになります。
東京 | 大阪 | 神奈川 | 埼玉 | 福岡 | |
---|---|---|---|---|---|
賃貸 | 40万円〜60万円 | 28万円〜40万円 | 36万円〜47万円 | 40万円〜48万円 | 28万円〜40万円 |
マンスリー マンション |
30万円〜45万円 | 21万円〜30万円 | 27万円〜42万円 | 30万円〜36万円 | 21万円〜30万円 |
一般的にマンスリーマンションの費用は、同じエリア内の賃貸物件の1.5倍から2倍が相場といわれています。
実際、賃貸マンションでは上表の費用に加えて、1ヶ月の賃料の4倍から5倍程度を相場に初期費用が加わっているため、3ヶ月という短い期間だけで比較した場合には、初期費用のかからないマンスリーマンションに住んだ方が費用負担は抑えられます。
しかし、賃貸マンションの契約において3ヶ月の居住というのは現実的ではなく、月々の賃料は賃貸マンションの方が半分程度であるため、長期的にみれば賃貸マンションの方が負担は抑えられると考えた方が良いでしょう。
水道光熱費や家具・家電の負担がないのが比較のポイント
先述した通り、マンスリーマンションには家具や家電、インターネット回線など生活に必要な設備が揃っていたり、物件によっては水道光熱費が定額制だったりと、賃料だけでは見えない負担を抑えられるポイントが複数あります。
そのため、マンスリーマンションを利用する目的や、その期間が明確に決まっている場合には少ない負担で生活することができるかもしれません。
賃貸物件と比較するときには、そのような賃料以外に発生する生活に必要な費用を細かく照らし合わせて比較していくと良いでしょう。
また、同じ都道府県内においても賃料の相場は大きく異なるため、上表よりも費用が低くなることや反対に高くなることがあります。より詳細な費用をシミュレーションする際には、居住エリアも大切な条件として算出しましょう。
マンスリーマンションと賃貸マンションどう使い分ける
ここまで賃貸マンションとマンスリーマンションの違いについて紹介しました。
それでは具体的に、それぞれをどのように使い分けたら良いのでしょうか。使い分けを判断するポイントや利用する人の特徴別に解説します。
居住する期間が決められているか
ここまでご紹介してきた通り、居住する期間はマンスリーマンションと賃貸マンションのどちらかを選ぶ際の重要な基準になります。
マンスリーマンションをお得に活用できる可能性が高い、短期間滞在のケースとして挙げられるのは以下の通りです。
- 出張や研修など滞在する期間が定められている
- 数ヶ月程度の短期間の単身赴任
- 受験や就職活動で1ヶ月から2ヶ月滞在する
このようなケースの場合には、高額になりやすい賃貸物件の初期費用を払ったり、1日あたりの滞在費用が高くなりやすいビジネスホテルを利用するのではなく、マンスリーマンションを活用した方が負担を抑えられるでしょう。
一人暮らしに向けた予行練習にも
進学などによって初めて一人暮らしを始めなくてはならなくなったとき、大きな期待もあるかもしれませんが、少なからず不安を感じることもあるのではないでしょうか。
短期間お得に暮らすことのできるマンスリーマンションであれば、一人暮らしの予行練習に活用することもできます。
マンスリーマンションは、ビジネスホテルなどと異なり住居内の清掃は全て自分で行わなくてはなりません。
また、多くの物件にキッチンがあるため自炊をすることが可能なだけでなく、実は高いセキュリティで管理されている物件が多いのもマンスリーマンションの特徴です。
このように安全な環境で一人暮らしに向けた準備として、不安を解消する練習の場に活用できるのもマンスリーマンションならではです。
長期滞在できるホテルならこんなにお得に!
最後に短期間の滞在先を探している方へ、おすすめのマンスリーマンションをご紹介します。
短い間とはいえ生活拠点になるため、室内の生活のしやすさはもちろんですが、最寄駅や近隣にある施設などといった立地面もよく比較検討しながら探すと良いでしょう。
グリッズ 東京 浅草橋 ホテル & ホステル
秋葉原や東京ドーム周辺などにも近い浅草橋駅が最寄のホテルで、さまざまなニーズに応えられる多様な客室が用意されています。
個室タイプであれば、室内に専用のシャワーやトイレが完備されており、共有スペースには24時間利用することのできるキッチンスペースもあるため、長期滞在に向いています。
「グリッズ 東京 浅草橋 ホテル & ホステル」の空室状況を見る
ホテルマイステイズ浅草
都営大江戸線の蔵前駅から徒歩4分というアクセスの良い立地のホテルマイステイズ浅草は、wi-fiの完備はもちろん全室で温水洗浄のトイレが設置されていたり、作業のしやすい長机が設置されていたりと、ビジネスシーンでの長期滞在におすすめです。
また、JRも利用することができるため、オフィス街へのアクセスもしやすいでしょう。
大阪とまとゲストハウス
新大阪エリアにあるゲストハウスで、男女混合、女性専用の相部屋のほかにバストイレ別、キッチン完備の個室も用意されている物件です。
徒歩圏内に駅があり、その周辺は繁華街となっているため、1人での短期滞在にも向いている立地にあります。
また、館内ではパーティーも定期的に開催されており、共有のリビングでは海外からのゲストと交流を深めることもできます。
フレックステイイン多摩川
新丸子駅から徒歩2分、武蔵小杉駅から徒歩10分の位置にあるフレックステイイン多摩川は、全室に簡易的なキッチンやバスルームのアメニティが完備されているため、周りを気にすることもなく1人で快適に暮らすことのできるマンスリーマンションです。
洗濯機が設置されているランドリーコーナーはもちろん、Wi-Fiが完備されており、宅配便の取り扱いサービスやコピー機なども利用できるため、ビジネスでの長期滞在にも向いているでしょう。
エン ホテル 博多
訪れた地との「縁」をつくることをテーマに、2021年に創業したばかりの綺麗なホテルです。
Wi-Fiの完備や温水洗浄のトイレはもちろん、JR博多駅から徒歩7分という好立地も魅力のポイント。
ビジネスシーンのみならず、観光をはじめとしたさまざまな目的での長期滞在の拠点として活用できるホテルだといえるでしょう。
マンスリーマンションをお探しのあなたに!
賃貸マンションと比較すると、短期間の滞在であればメリットの多いマンスリーマンション。
しかし、生活の拠点とする以上、室内設備や立地のこだわりは人によってさまざまです。
「Monthly Hotel(マンスリーホテル)」では、長期滞在に向いているホテルを滞在予定の期間や、立地から探すことができます。
この記事でご紹介した以外にも、マンスリーマンションとして活用できるホテルが多数掲載されています。
ぜひ、合わせてご覧ください。