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【取材】京都の中心に21室の新デザインホテル誕生「ホテルエスパシオン先斗町」開業

鴨川のせせらぎと石畳の路地が織りなす京都・先斗町に全21室のデザインホテル「ホテルエスパシオン先斗町」が10月14日にグランドオープンした。四条から先斗町を上がってすぐの京都の中心に位置し、祇園や河原町、錦市場など主要エリアを徒歩で巡ることができる。

コンセプトは「京都の中心で暮らすように泊まれるホテル」。大規模ホテルにはない親密な空間と、街の日常に寄り添う滞在体験を提案する。客室は7タイプを備え、モダンな意匠に京都らしい趣を添えたデザイン。観光需要が再び高まるなか、旅行者の多様なニーズに応える新たな拠点として注目を集めそうだ。

本記事では、ホテル開業の経緯やその魅力などについて、運営を担う株式会社PONTOに取材した。

▷ 公式サイト:https://ht-espasionpontocho.com

――京都・先斗町という場所を新拠点に選ばれた理由と、この立地にどのような価値を見出されたのかお聞かせください。

▲先斗町

先斗町は、京都らしい情緒と暮らしの気配が今も息づく、数少ないエリアのひとつです。観光地でありながら、細い路地には昔ながらの料亭や町家が並び、京都の人々が日常的に行き交う“暮らしの延長線”が広がっています。

ホテルが面する木屋町通りも、数多くの飲食店が軒を連ね、地元の方が夜を楽しみに訪れる場所です。観光の熱気と生活のリズムが心地よく混ざり合う──その独特の空気こそが、このエリアの魅力だと感じています。

さらに、祇園や四条、寺町京極、新京極、錦市場へも徒歩圏内。“旅先でありながら、どこか地元にいるような安心感”。そんな京都の“リアルな日常”を感じられる立地は、旅の拠点としてこれ以上ない舞台だと感じています。

――コンセプト「京都の中心で暮らすように泊まれるホテル」は、どのような体験を宿泊者に提供することを意図していますか。

▲客室 Deluxe Twin + Extra

京都を“観光する”だけでなく、“暮らすように味わう”。その体験を叶えるのが、ホテルエスパシオン先斗町のコンセプトです。

周辺には、地元の方に長く愛される老舗の和食店や喫茶、町家を改装した隠れ家的な店が点在しています。早朝に鴨川沿いを歩けば、静かな水音や通勤する人の姿に、京都の暮らしがそっと重なります。

▲鴨川

昼は祇園で歴史文化にふれ、河原町でショッピングを楽しみ、夜は先斗町や木屋町で長い夜を過ごす──そんな一日の流れそのものが“京都を暮らすように味わう”こと。観光地の中心にいながらも、静かで落ち着いた時間を過ごせる場所。それが、エスパシオン先斗町が提供したい“もうひとつの京都”の体験です。

――21室という小規模な設計に込めた狙いや、他のホテルとの差別化ポイントを教えてください。

▲Superior Twin

21室という規模は、宿泊者お一人おひとりに丁寧に向き合える“ちょうどいいサイズ”として設計しました。大型ホテルのような賑わいではなく、静かに心を休められる距離感や、移動のしやすい動線を大切にしています。

▲Moderate Twin

7タイプの客室は、シンプルながら温もりのある素材と柔らかな照明で構成し、ゆっくりとした時間に溶け込むようデザインしました。共用部には洗濯乾燥機を設け、短期から中長期まで快適に過ごせる環境を整えています。

▲Superior Double

また、あえて館内にレストランを設けていません。それは、ホテルの周囲に“京都の味”を楽しめるお店が無数にあるからです。宿泊者の皆さまにはぜひ、先斗町の路地に灯る小さな看板をくぐり、京都人が通う一軒に出会ってほしいと思っています。

ホテルの中だけで完結するのではなく、街とともに旅を味わう。“京都に住まうように過ごす”──その感覚を大切にした結果が、21室という選択でした。

――周辺には先斗町や錦市場など、京都らしい街並みが広がっています。ホテルとして、宿泊者がこうした“京都の日常”をより楽しむための工夫や提案はありますか。

私たちは、ホテルを“街への入り口”と考えています。観光名所を巡るだけでなく、通りを歩きながら京都の暮らしにふれる──そんな時間を過ごしていただきたいと思っています。

客室や共用部は、外に出かけたくなるように“静けさ”をテーマに設計しました。街の賑わいとホテルの落ち着き、その対比が旅に余白を生み、一歩外に出るたびに京都の空気がより深く感じられるように。また、スタッフとの会話や地域の小さな話題からも、京都の“地元感”が自然と伝わるよう心がけています。

朝夕で表情を変える鴨川沿い、夜の先斗町の灯り──ホテルを出て数分歩くだけで、京都の“今”に出会える。その瞬間こそが、旅人にとって何よりの贅沢だと私たちは考えています。

――最後に、グランドオープンにあたり、このホテルに込めた想いや、訪れるお客様へ伝えたいメッセージをお聞かせください。

ホテルエスパシオン先斗町は、京都の中心で“日常と旅が交わる”ホテルでありたいと考えています。古き良き街並みと現代的なデザインが穏やかに調和するこの場所で、旅のひとときが静かに心に残る──そんな滞在を目指しました。

京都という街は、訪れるたびに新しい発見がありながらも、どこか懐かしさを感じさせてくれます。その“変わらない美しさ”と“日々の息づかい”を、このホテルを通して感じていただけたら嬉しいです。

ここで過ごす時間が、旅人にとって“もう一度帰りたくなる京都”の記憶になるように。そんな願いを込めて、このホテルをつくりました。

京都の中心で、自分だけの“日常の京都”に出会う──その始まりが、エスパシオン先斗町であれば幸いです。

■ホテル概要

ホテル名:ホテルエスパシオン先斗町
所在地:京都府京都市中京区下樵木町196
客室数:21室(7タイプ)
チェックイン/アウト:スマートチェックイン導入
公式サイト:https://ht-espasionpontocho.com

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