リクルートが発行する旅行情報誌『じゃらん』は、「じゃらん 2024年注目の旅トレンド」を発表した。この報告によると、2024年の旅のトレンドは「イマーシブ(没入)体験」と「ナイトタイムエコノミー」とされている。
イマーシブ体験は、没入型コンテンツを通じて、その世界観に入り込んだような体験ができるもので、ここ数年で特に進化してきている。例えば、映画の世界観に浸れる参加型アトラクションやデジタルアートの体感型イベント、幻想的な空間のイルミネーションなどが含まれる。
一方、ナイトタイムエコノミーは、夜間(18時から翌朝6時まで)の観光・体験や飲食などの経済活動を指す。この動きは海外で先行しており、日本でも観光庁が2019年に取り組みを発表していた。コロナ禍で一時的に停滞したが、2023年にインバウンドの回復に伴い、再び関心が高まっている。
『じゃらん』の調査によると、これらのトレンドに対する認知度はまだ低いが、特に20~30代の興味関心度は高いことが明らかになっている。イマーシブ体験はその場でしか体験できない特別感やコンテンツの豊富さが魅力とされ、ナイトタイムエコノミーは夜の観光への関心が高まっていることが指摘されている。
イマーシブ体験の具体的な事例としては、2024年春にお台場に開業予定の「イマーシブ・フォート東京」や、西武園ゆうえんちの没入型ドラマティック・レストラン、「エプソン チームラボボーダレス」などが挙げられる。また、ナイトタイムエコノミーの例としては、「さっぽろ雪まつり」や「TORANOMON LIGHT ART」、島根県の「浜田の夜神楽」などがある。
これらのトレンドは、日本各地での地域活性化や旅行消費の拡大に寄与すると期待されている。リクルートによるこの調査は、2023年10月に実施され、全国の20代から50代の1,038名が回答したものである。