航空機の運航整備計画は、整備士の人数、整備項目の期限、格納庫の収容能力、整備器材数など、多数の制約条件を考慮しなければならない複雑なものである。これまでは経験豊富なベテランスタッフが手動で策定していたが、運航ダイヤの急変に対応することは難しく、また、短時間で最適化された計画を作成することも困難であった。
そこで、JALとエー・スター・クォンタムは2021年から、エー・スター・クォンタムが開発した量子コンピューティング技術と数理最適化を活用した実証実験を段階的に進め、その結果、運航整備計画の最適化が可能であることを確認した。これにより、ベテランスタッフの知識を電子化し、最適化計算を自動的に行い、短時間で適切な計画を策定できるようになると見込まれる。
JALとエー・スター・クォンタムは、この技術を活用することで、品質向上や新たな価値創造を目指す。今後も両社は、航空機整備のノウハウと量子コンピューティング技術の相互利用による課題解決に積極的に取り組んでいく予定である。