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ワーケーションとは?新たな働き方を徹底解説

ワーケーションとは?

コロナウイルス感染症の感染拡大により、新しい生活様式が進み、リモートワークなど働き方も新たな価値観や方法が展開されるようになった昨今。その中で「ワーケーション」という言葉も聞かれるようになりました。

総務省の定義では「ワーケーション」とは「ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語。リゾート地などで休みを取りつつ(または引っ越しして)テレワークをする働き方を指す。」とされています。

先にも述べたように、新しい生活様式が進む中、ワーケーションという選択が広まってきています。「ワーケーション」とはそもそも何かを含め、今回は、ワーケーションで得られるメリットや企業の事例まとめなどから解説しましょう。

 

ワーケーション・テレワークに対する国や地域・自治体の取り組み

ワーケーションもテレワークも、国の働き方改革の一環として推進されているものです。労働人口が減少し、多くの企業が求人難となり人手不足が大きな問題です。ICT(情報通信技術)により、労働者の生産性をより上げることやテレワークの導入を図ることを日本では推進しています。

そして、令和2年(2020年)現在では、新型コロナウイルスの影響もあり、47.5%がテレワークを導入するまでに至っていると言えるでしょう。
*参考https://www.applic.or.jp/2022/inv/inv-com_2022_mic.pdf

また、最近では働き方改革と地域創生、またコロナ禍以降低迷する観光への取り組みの一つとしてワーケーションが推進されています。総務省、農林水産省、環境省、観光庁などの多くでワーケーションのための補助金や環境整備、アドバイザー派遣などを行いながら推進している現状です。

また国だけでなく、ワーケーションを推進する地域や自治体も増加傾向です。長野県など自治体独自に宿泊費に補助金を出す工夫をする県も出てきています。2019年から「ワーケーション自治体協議会」も発足。自治体主導での活動も行われ、2022年11月現在、会員自治体が213(1道25県187市町村)と増えてきている状況です。
*参考https://www.facebook.com/WorkationAllianceJapan/

 

ワーケーションの背景と目的

ワーケーションはどのような背景や目的により広まっていったのでしょうか。2000年頃のアメリカで、現代では当たり前になっているノートパソコンやインターネットなど「モバイルブロードバンド」が急速に成長、普及しました。ワーケーションはこの頃これらの発達とともに始まったとされています。アメリカでは随分前から取り組まれてきたものです。当時のアメリカでは、有給を取得しないことが問題視され、有給休暇の取得率向上を図る目的でワーケーションは始まったとされています。日本でも、近年、首都圏にあった本社機能をリゾート地に移動することや、遠方やリゾート地のコンドミニアムやリゾートマンション、研修、保養施設をサテライトオフィスとして、インターネット環境があれば仕事ができるIT企業をはじめとして利用されてきました。

 

ワーケーションとテレワークの違い

ワーケーションとテレワークの違いについてもご紹介すると、テレワークにバケーション(休暇)の要素を加えた点が違いとなっています。一定期間、環境を異なる場所に設定することで、異なる働き方で生産性を高め、新たなものを生み出そうとするのがワーケーションです。

次にご紹介するようなワーケーションの種類を知ることで、ワーケーションについて、その特徴を知ってより理解を深めていくといいでしょう。

 

ワーケーションの種類

ワーケーションの7つのタイプと内容、期間をまとめてみました。

タイプ

内容

期間

休暇活用(観光等)型(Vacation)

 

休暇で観光を楽しみつつ、普段の仕事を行うタイプ

 

2〜3日

拠点移動型(不動産型)(Location)

 

生活や働く拠点を動かし、分散させていくタイプ

 

一定期間

会議型(Communication)

 

普段の職場と異なる場所で集中討議を行い、プロジェクトの立案までを行うタイプ

 

2〜3日

研修型(Education)

 

普段の職場と異なる場所で集中的に研修を行う、教育の場となるタイプ

 

数日〜数ヶ月

新価値創造型(Innovation)

 

企業間の交流を通じて新たなビジネスを生み出すタイプ

 

一定期間

地域課題解決型(Solution)

 

 

地域の課題解決を目的としたタイプ(ボランティア、CSR、副業など)

 

数日〜数ヶ月

ウェルビーイング(福利厚生)型(Motivation)

 

保養所、健康増進、リカレント教育(学び直し)等の社員の動機づけのメニューとなるタイプ

 

数日〜数ヶ月

 

ワーケーションをするメリットとは

ワーケーションをするメリットとして、主に2つあげられます。一つは人間関係のストレスなどから解放され、自分の好みの環境を選択することが可能。二つめは都市部を離れ自然豊かな場所や落ち着いた雰囲気の中で仕事の効率を高めたり、通勤ラッシュからも解放されたりすることで、創造性や生産性を上げることが期待できます。以上のことから、自身で仕事を調整しやすくなり、有給の取得しやすさにもつながりますね。    

 

企業のメリット

企業側のメリットとしては、有給の取得率を向上(*1)させることが可能であり、本社機能を縮小し、建物や維持管理費をセーブできるという側面も。他にも、労働者が移住、滞在することで、その土地の人口の増加や地元での消費に伴う経済効果が期待されます。

 

生産性向上

ワーケーションの生産性の向上について、2020年にNTTデータ研究所・JTB・JALの3社が慶應義塾大学の大学教授の監修の下で実証実験を行いました。(*2)沖縄県名護市にあるカヌチャリゾートで合計18名の男女に2020年6月26日〜28日の3日の間、初日にリモート勤務、2日目以降を休暇日として過ごし効果を検証しています。

生産性を図る指標である「WHO-HPQ」は通常の20.7%上昇、ワーケーション前後のストレスは37.3%低減し、その一方で疲労感が下がりにくい傾向が確認されています。このような結果から、ワーケーションは、心身の健康に効果があり生産性が向上。つまりは自身の仕事満足度や意欲も高まります。

*1*2参考 https://www.jtbbwt.com/business/trend/detail/id=1898

 

休暇取得の推進

有給の取得率が上がらない原因の一つとして、有給の取りにくさ、休暇を取ると、その後の業務に対する不安やストレスがあるなどがあると思います。ワーケーションを会社に申請し、承認を得たうえで、通常の勤務先や自宅以外の場所での休暇を楽しみながら仕事をする、という仕組みで運用。ワーケーションを選択することが制度化されている分、仕事と休暇のメリハリをつけやすいことから、休暇取得の推進にもつながり良いことづくしです。

 

労働者のメリット

労働者のメリットとしては、先に述べたように、ワーケーションを選択することが制度化されていれば、働くことを軸にしながら有給を取りやすいという最大のメリットがあります。具体的なメリットを見ていきましょう。

 

ワークライフバランスの充実

ワーケーションの働き方で、心身リフレッシュして、生産性が上がるのであれば仕事もライフワークバランスも充実できるという面があります。これまで、長時間にわたる会議や労働時間という時間の拘束があり夜中まで働いていた人もいるでしょう。しかし、生産性が上がり、会議もリモートであれば限られた時間で締めることができます。新たに生み出した時間で自身の時間を充実させることも。

 

創造性アップ

また、いつもと違う環境で創造性があがることも予想されます。非日常から普段にはない様々な刺激を受けるなど、社内で拘束されているよりも、緩やかな時間の流れの中で思考が広がることも。結果的に創造性や様々なひらめきが生まれてくることにつながります。

ワーケーションのデメリット

これまで、ワーケーションのメリットを解説してきました。では、どのようなデメリットがあるのか検証してみます。  

 

企業のデメリット

はじめに企業側にあるデメリットを見てみます。メリットの面ではコストの削減ができるなど大きな充実感がありましたが、デメリットはどうでしょうか。

 

労働時間の管理

まず最も大きいのは、勤怠管理が難しいという問題です。会社ではない場所で業務を行うため管理はオフィスよりも困難に。労働者各自の裁量に任せる必要があるため、信頼関係での采配となり、管理が難しくなります。そして、ワーケーション先では、仕事の様子や実態を把握しにくい、リモートでの把握となるため、仕事や人事評価も難しくなります。しかし、勤怠管理システムなど、ITツール導入で解決できる方法もありますので要チェックです。   

 

運用コスト

ワーケーション先はWi-Fiや作業場所など、環境設備の必要があります。オフィス以外のネットワークを使用するため、データのやり取りなどに対するセキュリティ対策もしっかりと行う必要が。その他、ワーケーション先で事故が起きた際、労災の扱いをどうするのかという問題もあります。また、労働者の生活に関する経費など、社内で制度化する必要があり、このような資金面、コストの問題をクリアするには、ワーケーションの移転、移住に対して補助金の出る地域を選択することをお勧めします。「テレワーク普及展開推進事業」など総務省では、中小企業を支援する団体と連携したテレワーク・サポートネットワーク事業を展開中です。

 

労働者のデメリット

企業側と同じように、労働者側にも少なからずデメリットが発生します。労働者側のデメリットを考えてみましょう。

 

社内コミュニケーション

それぞれがそれぞれの場所で仕事をしていても、会議や打ち合わせの必要があります。しかし、そのような時もリモートでのコミュニケーションになってしまい慣れるまで色々な障害も生まれることも予想され、同僚とのコミュニケーションも少なくなります。情報交換が少なかったりすることから人によっては物足りなさを感じる人も少なくありません。例えば、現状のプロジェクトの進行状況など近くに同僚がいればすぐに確認できたことも、オンラインや電話上、チャットやメールで確認などの一手間が必要になるでしょう。

 

仕事とプライベートの境界線があいまいになる

働き方、時間に制限がないため、仕事とプライベートの境界線があいまいになり、人によっては時間のメリハリをつけるのが困難になることもあります。逆を返せば、休暇が仕事になってしまう可能性も。先にも述べたように、勤怠管理に関わることがポイントになります。自分を律しながら仕事とプライベート、休暇を分ける努力が必要です。

 

 

ワーケーションが向いている職種

デメリットをご紹介しましたが、ワーケーションには、向いている職種とそうでない職種があることを知っておくといいでしょう。テレワークがまず進んでいない業種は、ワーケーションも進んでいない業種となっています。

医療、介護、福祉、宿泊業、飲食サービス業は、接客が主な仕事のためにワーケーションは難しくなっている業種や職種です。
*参考https://www.applic.or.jp/2022/inv/inv-com_2022_mic.pdf

また、その他の業種でも、「経営者が積極的でない」「テレワークができていない」「業務が一人で完結しないのでテレワーク自体が難しい」「製造業なので職種によっては難しい、職種間で不公平になってしまう」「セキュリティの問題がある」といった難しさがあります。

 

デメリットと課題解決のためにするべきこととは

しかし、こうしたワーケーションのデメリットを少しずつ解決することで、導入が難しい企業も課題を解決していくことがおすすめです。

まず、ワーケーションを導入するためには、きちんとした社内規則を作って従業員に周知させることが大切と言えるでしょう。そして従業員に適切なワーケーション施設を企業側から提案することが必要です。

ワーケーションをするのに最適な環境選びやセキュリティの問題を解決していくことが重要です。従業員自身がワーケーションのメリットを感じられないようでは導入する意味がなくなってしまいますので、ワーケーションによって従業員の生産性が上がるようにすることが大切となります。従業員の働き方を変えて、価値観を上げていくような環境や日程のワーケーションを準備することで成功します。

 

ワーケーションの導入企業事例まとめ

ここで気になるのが、実際にどのような企業でワーケーションを導入しているのでしょうか。導入事例を紹介します。(*3)

 

日本航空

日本航空は2017年からワーケーションを導入し、導入の先駆け的存在です。役員の率先した利用をはじめとし、体験ツアーの実施、合宿型ワーケーションを実施。日本航空と株式会社NTTデータ経営研究所が効果検証実験を行ったところ、ワーケーション中に仕事のストレスが37.3%減少し、生産性は20.7%向上していることがわかりました。

 

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社

2019年から「地域deWAA(Work from Anywhere and Anytime)」という独自のワーケーションを取り入れています。同社と連携している自治体に社員が滞在している期間中、地域の施設をコワーキングスペースとして無料で使えます。導入の結果「集中してリゾート地で仕事ができた」といった意見があります。導入により社員の幸福度や生産性向上が見られました。

 

株式会社野村総合研究所

2017年から徳島県の三好市のサテライトオフィスに従業員の派遣を行っています。具体的には年に3回、1度のワーケーションにつき約1ヶ月という長期間ワーケーションです。大手シンクタンクとして、地方の課題や価値を見出す重要な役割を担い、そのきっかけを作る目的で活用され始めました。社員にとっても、新たな人とのつながり、価値観を得る貴重な経験としてのワーケーションとなっています。

*参考(*3)https://www.jtbbwt.com/business/trend/detail/id=1898

 

まとめ

今回は、「ワーケーション」とはそもそも何かを含め、今回は、ワーケーションで得られるメリットなどを解説してきました。ワーケーションにはメリットとデメリットそれぞれの側面がありますが、総じて企業側にも労働者側にもメリットが多い制度であることがわかりました。昨今の感染症対策によりさらに制度が加速し、全国の古民家やホテルをサブスクで使用させる企業や、JR東海が東海道新幹線乗り放題と停車駅沿線の提携ホテルを毎日自由に選べる「東海道新幹線MYワーケーション切符」(宿泊費込)を期間限定で発売するなど様々な取り組みが進んでいます。

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企業として、新しい生活様式に沿い、さらには人口減少によってこれからますます貴重になる優秀な人材を獲得するためにも柔軟な働き方の対応が求められます。    

 

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