株式会社ホーンが運営する一人旅特化メディア「ソロトリ」は、2025年5月に「ソロトリ・一人旅実態調査(2024年度版)」を実施した。調査は958名から回答を得て、うち82.5%にあたる790名の一人旅経験者について行動パターンを分析したものであり、世代別に特徴的な旅行スタイルが浮き彫りとなった。なお、一人旅経験者とは、2024年度に宿泊を伴う一人旅を1回以上行った人を指す。
分析の結果、最も多い層は50代女性であり、回答者全体の31.8%にあたる251名を占めた。30代から50代女性を合わせると全体の75.5%となり、仕事や家庭において多忙な世代が積極的に一人旅を楽しんでいることが明らかになった。
さらに、一人旅デビューの傾向には20代と50代に二極化がみられた。20代でのデビューが多いのは各世代に共通しているが、50代女性では50代デビューが28.7%で最も多く、次いで20代デビューが27.1%と僅差で続く結果となった。このことから、50代が人生の節目における「第二のデビュー期」として一人旅を開始する特徴が示された。
一人旅の頻度については、全世代で年間2〜3回が最多となり、特に60代女性では51.6%がこの頻度で旅行していることがわかった。無理のないペースで継続的に一人旅を楽しむ様子が確認された。
また、旅行日程の選択においても世代差が表れており、60代女性の47.4%が平日のみを選び混雑回避を重視する一方で、30代以下女性は金土日を活用する週末型が29.4%を占めた。ライフステージごとに異なる戦略的な日程選択が行われていることがうかがえる。
一人旅の魅力については「自由に行動できる」が全世代で圧倒的に支持され、特に60代女性では74.7%が回答した。人生経験を積んだ世代ほど自由の価値を強く実感している傾向が浮き彫りとなった。
調査結果から、一人旅は特別な旅行形態ではなく、年2〜3回という無理のない頻度で日常に取り込まれたライフスタイルとして定着していることが明らかになった。特に注目されるのは、50代における「第二のデビュー期」であり、子育てや働き方の変化といった節目が新たな挑戦の契機となっている点である。また、60代女性の平日志向や若い世代の週末型など世代ごとの行動パターンも特徴的である。さらに「自由に行動できる」という価値観が全世代で支持されており、一人旅が心の充電や自己回復の手段として機能していることが確認された。