Skyscanner Japan株式会社は、近年注目を集めている「旅ラン」に関するインサイトを把握すべく、日本を含む複数の国で調査を実施した。調査により、旅ランナーたちの計画の傾向や懸念点、予算感覚、旅行の楽しみ方に関する多様な実態が明らかになった。
調査の概要は以下のとおりである。調査期間は2025年4月2日から4月8日まで、インターネット調査により実施された。対象はランニングに興味のある海外旅行者745人(アメリカ在住262人、中国在住242人、韓国在住241人)、および18歳以上の日本人1,000人である。
まず、旅ランの計画時期について、日本と海外では顕著な違いが見られた。日本人ランナー1,000人を対象とした調査では、「5~6か月前」より前から準備を始める層が50.9%にのぼり、「3~4か月前」を加えると72.4%となる。これにより、日本人ランナーは旅行の計画において慎重な姿勢を持つ傾向があることがうかがえる。一方で、アメリカ・中国・韓国のランナーは「3~4か月前」より直前に準備を始める層が56.2%と、計画の時期が比較的遅いことが分かっている。
次に、旅ランにおける懸念点については、国によって異なる傾向が見られた。日本人ランナーが最も多く挙げた懸念は「ホテル代」(41%)および「イベント情報の不足」(41%)であったのに対し、アメリカ・中国・韓国のランナーにおいては「航空券の価格」(41.2%)が最も多かった。最も懸念する要素の差異はあるものの、旅行にかかる費用への関心の高さは共通しており、節約志向がグローバルに広がっていることが示された。
また、日本人の旅ラン1回あたりの予算についても調査が行われた。その結果、「5万円以下」と回答した層が48%と最も多くを占めた一方で、「10万円超」とする層も14%存在していた。この結果から、旅ランにおいてもコスト重視とプレミアム志向との二極化が進んでいることが明らかとなった。
さらに、旅ランではランニング以外の楽しみ方にも注目が集まっている。「旅ランを計画する際、どのくらい滞在を延長して観光を楽しみたいか」との問いに対して、約86%が1日以上の延長を希望すると回答した。具体的な体験としては、「その地域の料理を試す」(57%)、「さらに観光を行う」(50%)、「リラクゼーション施設で癒される」(43%)が上位に挙がっている。これらの結果は、旅ランが単なる運動にとどまらず、観光や文化体験を組み合わせた旅行スタイルとして定着しつつあることを示している。
スカイスキャナーが発表した「トラベルトレンドレポート2025」では、スポーツを含む目的型・特化型のツーリズムの人気が今後さらに高まると予測している。旅ランはただ目的地を走るだけではなく、その土地を走ることをきっかけに、地域の文化やグルメ、人々との交流を深く体験できるスタイルとして注目されている。