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新時代の旅行者の心を掴む”体験”への投資と”SNS” :アジア太平洋地域の旅行意識調査結果

訪日旅行・観光予約No.1プラットフォームであるKlookは、アジア太平洋地域の12市場2400名を対象に旅行に関する意識調査を行った。日本政府観光局の統計によれば、2023年8月の訪日外国人観光者数は、新型コロナウイルスが蔓延する前の2019年同月比85.6%であるという。特に中国人観光客の動向が注目される中、Klookの調査は、ミレニアル世代とZ世代の旅行に関する意識に焦点を当てている。

Klook Travel Pulse 調査の結果、アジア太平洋地域のミレニアル世代とZ世代の3人に1人は、次回の旅行でアジアの平均月収の2倍以上を予算として計画していることが明らかになった。旅行市場において、これらの世代の消費意欲の獲得は、今後の重要なポイントとなっている。

調査の詳細な結果として、シンガポールと香港を除く各市場で国内旅行の意欲がトップであり、中国や韓国市場では長距離の海外旅行への関心も強いことが確認された。特に日本は、12市場の中で11市場で訪問先としての人気がTOP3にランクインしており、全体で44%が次回の旅行目的地として日本を選んでいる。これは、日本の多様な観光地や地方文化の魅力が影響していると考えられる。

また、旅行予算に関して、日本とフィリピンは次回の旅行予算の過半数が1000ドル以下と低めである一方、中国や香港は高額な予算を持つ人が多いことがわかった。体験にお金をかける意欲も高く、特にベトナムやインド、タイ、フィリピンの旅行者は体験への投資意欲が強い。

SNSの影響についても調査され、特にZ世代においてSNSからの影響を受ける傾向が強いことが明らかになった。具体的には、全体の93%がSNSから旅行に関する情報を得ており、最も影響力のあるSNSはInstagramであった。続いてFacebook(67%)、TikTok(55%)という結果であった。日本市場では他市場に比べSNSの影響が低く、Twitter(現X)の影響力が比較的高いことが明らかとなっている。

この調査結果を受けて、Klookの共同創業者兼COOのエリック・ノック・ファーは、旅行市場におけるミレニアル世代とZ世代の消費意識の変化を指摘し、SNSがその意識形成に大きく寄与しているとの考察を述べた。
調査結果を見ると、新型コロナウイルスの影響で変化した旅行者の消費行動や価値観が明確に示されている。特にミレニアル世代とZ世代の旅行に対する意識は、従来の観光地訪問よりも「体験」への投資を重視する傾向が強まっていることが伺える。これは、彼らがSNSを中心に情報収集を行い、自らの経験を共有する文化に浸透していることと関連していると考えられる。また、日本が多くの市場で旅行先としての人気が高いことは、日本の多様な観光資源や文化が国際的に評価されていることの表れといえるだろう。今後の観光業界は、このような消費者の変化したニーズを取り込み、より豊富な体験提供を目指すことが求められる。

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