JTB株式会社と富士通株式会社は、2023年11月8日に、訪日外国人富裕層向けの観光デジタルトランスフォーメーション(DX)サービスの共同研究に関する協業を発表した。この協業の目的は、訪日外国人富裕層の多様なニーズを理解し、新しい観光体験を創出することにある。これにより、新たなインバウンド観光DXサービスを実現し、持続可能な観光地づくりに貢献することを目指している。
背景として、訪日外国人旅行者は急速に回復しており、2025年までの日本政府の目標である訪日外国人旅行者による旅行消費額5兆円の達成が期待されている。このツーリズム産業の振興は、日本の人口減少や高齢化などの課題解決に重要な機会となっている。
JTBは交流創造事業を進め、地域や観光事業者の支援を行っている。一方、富士通は「Fujitsu Uvance」の下で、持続可能な社会の実現を目指しており、その一環として、データを活用したシステムの社会実装に取り組んでいる。
両社の協業では、JTBのラグジュアリー商品の提供に関する知見と、富士通のデータ活用技術を組み合わせる。具体的な取り組みには、訪日外国人富裕層のニーズ把握のための調査、高付加価値な観光コンテンツの開発、新たなデジタル接点の検討などが含まれる。実施期間は2023年11月8日から2024年3月31日までとなっている。
今後、両社は共同研究を通じて、個々の嗜好に合わせた旅行内容の情報発信やレコメンドを進め、観光体験を創出し、関係人口の拡大と持続可能な観光地づくりに貢献することを目指している。