JNTOの発表によると、2024年9月の訪日外客数は2,872,200人で、前年同月比で31.5%増加し、2019年同月比では26.4%増加した。コロナ禍以前の2019年9月の訪日外客数2,272,883人を大きく上回り、8か月連続で同月最高記録を更新している。さらに、9月までの訪日者数の累計は26,880,200人となり、2023年の年間累計である25,066,350人を上回る結果となった。
2024年9月の訪日外客数は、2023年9月と比較して約69万人増加し、31.5%の伸びを示している。また、2019年9月と比べると約26%増加した一方で、2024年8月と比較すると訪日外客数は約6万人減少している。過去のデータによると、8月と9月の間には通常訪日者数の減少が見られるが、2024年においては比較的大きな減少幅となった。これは、夏休みの終了や旅行シーズンの変動が影響していると考えられる。今後も安定した訪日外客数を維持するためには、季節変動に応じた観光政策やプロモーションの見直しが求められるであろう。
日本人の出国者数に目を向けると、2024年9月は1,212,600人で、前年同月比では20.7%増加した。しかし、コロナ禍前の2019年9月の1,751,477人と比較すると、依然として約30%減少している。出国者数は緩やかに回復しているものの、完全な回復にはもうしばらく時間がかかると予測される。
2024年9月において、訪日外客数が最も多いのは韓国からで、656,700人が訪日している。前年同月比では15.1%増加し、2019年同月比で約226%増加している。また、以下で紹介するほかのアジア諸国とは異なり、2024年8月の訪日者数が612,100人と増加傾向にあり、秋に向けて韓国からの訪日者数が好調に推移していることが伺える。
訪日者数が多い国は韓国に次いで中国、台湾、アメリカ、香港が続く。訪日者数2位となった中国は2024年9月に652,300人が訪日している。前年同月比では約100%増加しているが、2019年同月比では20.3%減少している。また、2024年8月の745,800人と比較すると約9万3千人減少している。これは、シーズンの移り変わりや他の観光地への分散が影響していると考えられる。しかし、2024年全体としては安定した数の訪日を記録しており、今後も中国人観光客に向けたサービスの拡充が重要であると考えられる。
3位の台湾からは470,600人が訪日しており、前年同月比で22.2%増、2019年同月比で25.1%増を記録した。しかし、8月の564,300人と比べると訪日者数は約10万人減少しており、季節要因の影響があると考えられる。
4位となったアメリカからの訪日者数は191,900人であり、前年同月比で22.5%増加、2019年同月比でも約50%増加した。アメリカからの訪日客はアジア諸国とは異なる動きを見せ、8月と比べてやや増加しており、秋に向けて旅行者数が増加していることがうかがえる。
最後に香港からの訪日者数は170,200人で、前年同月比で12.6%増加し、2019年同月比でも約9.2%増加しているが、他のアジア諸国と同様に8月と比べると約8万人ほど訪日者数は減少している。香港でも他国と同様に天候やスケジュールの影響があったと考えられる。
2024年9月の訪日外客数は前年や2019年を大きく上回っているが、各国の旅行者数に季節的変動が見られた。こうした状況を踏まえ、今後は柔軟な観光プロモーションが求められると考えられる。さらに、オーバーツーリズムの対策として観光客の流れを都市部から地方へ広げる施策が重要となるだろう。また、オフシーズンにも持続的な観光需要を喚起するため、イベントやキャンペーンを活用した対応が必要だと予想される。