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【JNTO発表】2024年7月の訪日外客数、過去最高を更新:中国を中心に主要市場が堅調に回復

JNTOの発表によると2024年7月の訪日外客数は3,292,500人となり、前年同月⽐では 41.9%増、2019 年同月⽐で10.1%増となった。この結果はコロナ禍以前の2019年7月の2,991,189人を約30万人上回っており、2か月連続で単月として過去最高を記録した。また、7 月までの訪日外客数の累計は21,069,900人となり、過去最速で2,000万人を突破した。

(出典:JNTO

2024年7月の訪日外客数は前年の2023年7月と比較して41.9%増加した。また、コロナ禍以前の2019年7月と比較しても10.1%増加している。さらに前月と比較すると、2024年6月の訪日外客数は3,135,600人だったのに対し、2024年7月は3,292,500人であり15万人の増加が見られた。この結果から、2024年7月の訪日外客数が非常に好調であり成長を続けていることが読み取れることに加え、宿泊観光業界にとって非常にポジティブな指標となり得ると考えられる。

JNTO資料を基に作成)

一方で、日本人の出国者数はコロナ禍以前の水準には未だ戻っていない。2024年7月の日本人出国者数は1,048,800人であり、前月(2024年6月)と比較すると118,572人の増加が見られ、昨年7月と比較しても345,541人増加していることから、出国者数は徐々に回復しつつあるといえる。しかし、2019年7月の1,659,166人と比較すると、2024年7月の出国者数は36.8%減少しており、2019年1月から7月までの出国者数と2024年の同期間を比較すると4,354,698人少なく、2024年の出国者数は2019年と比較して38.9%減少していることが分かる。このことから、日本人出国者数は改善の兆しはあるものの依然として経済面や社会的な課題が残り、コロナ禍以前の水準に戻るにはまだ時間がかかると考えられる。

中国人訪日外客数は2023年7月、2024年6月と比較すると増加した。2023年7月は313,328人が訪問したのに対し、今年7月には776,500人が訪れている。これは147.8%の増加であり、昨年同月と比較すると中国人訪日客数は好調だといえるであろう。また、2024年6月と比較しても約17.5%増加しており、伸び率は順調である。しかし、2019年7月の1,050,420人と比較すると伸び率はマイナスとなり、26.1%減という結果になった。コロナ禍に中国政府が実施した厳格な出入国管理や旅行制限、航空便の数・頻度が戻っていないことが、中国人訪日客数が2019年水準に戻らない要因になり得ている可能性がある。

中国以外の国々に目を向けると、訪日客数が多い国は、上位から中国、韓国、台湾、香港、アメリカとなっている。前月の調査と比較すると、中国と韓国、香港とアメリカの順位が入れ替わる結果となった。これらの国々についても、中国と同様に、2023年7月比、2019年7月比、2024年6月比の推移をそれぞれ確認していく。

JNTO資料を基に作成)

訪日外客数2位となった韓国の2024年7月訪日外客数は757,700人であった。これは2023年7月と比較すると20.9%増、2019年7月と比較すると34.9%増、2024年6月との比較では約7.7%増という結果である。しかし、7月は中国の訪日外客数が韓国を上回り、2位という結果になった。しかしながら、韓国人訪日客数は増加の一途をたどっており、依然として好調な状態が続いている。

3位の台湾は、2024年7月の訪日数が571,700人で、これは2023年7月の422,356人から約35%増加している。また、2019年7月と比較しても24.5%の増加を記録した。また、前月の2024年6月の台湾人訪日外客数は574,500人であり、わずかに減少したものの、全体的に好調を維持している。この結果は、7月下旬に台湾に上陸した台風が航空機や船舶に一部影響を及ぼしたことでやや今年7月の訪日外客数が減少したものの、着実に台湾からの来訪者は増加しており、今後も台湾市場は日本にとって重要な観光客の供給源であり続けることが予想される。

4位の香港は2024年7月の訪日外客数が279,100人、前年同月は216,413人であり29%の増加を記録した。さらに2019年同月と比較しても 28.7%増、2024年6月の比較でも28,500人来日者が増加した。香港からの訪日者は増加傾向にあり、7月は特にスクールホリデーがあったことや昨年7月と比較したときの日本への直行便数の増加などが訪日外客数が増加数を安定させる要因だと考えらる。

5位となったアメリカは2024年6月と比較すると45,200人訪日者数が減少したものの、2023年7月と比較すると26.3%増、2019年同月比だと60.1%も増加している。アメリカは7/4が独立記念日であり、その付近の夏の時期に国内旅行が活発になる傾向がある。多くのアメリカ人が国内でのバケーションを選択したため、日本への訪問が減少した可能性が考えられる。しかし、7月の訪日者数が前年度や2019年と比較して大幅に増加していることから、日本への旅行の魅力は依然として強く、アメリカ人にとって日本はいまだ旅行先として人気があるといえるであろう。

2024年7月の訪日外客数は、前年と比較しても増加傾向にあり、コロナ禍後の回復が顕著に進んでいると考えられる。中国からの訪問者数は前年と比較して大幅に増加したものの、2019年の水準にはまだ達しておらず、出入国制限や航空便の減少が影響していると考えられる。一方、韓国、台湾、香港からの訪問者数は2019年を超えており、特に台湾は24.5%の増加を記録した。アメリカからの訪日者数も増加しているが、独立記念日を含む時期の国内旅行の影響で前月より減少するという結果となっている。これらの結果から、日本の観光業が多様な市場からの需要に支えられていることがわかり、各市場の特性に応じた戦略が重要となっていくだろう。

 

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