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地方自治体のインバウンド対応に「心の壁」MATCHA調査が示す現場の実態

(出典:株式会社MATCHA)

訪日観光が再び活況を見せるなか、株式会社MATCHAは、全国の自治体・観光事業者を対象にインバウンド施策に関する意識調査を実施した。調査の結果、実務担当者の71.1%が「地域や組織内でインバウンド施策の重要性を理解してもらうことが課題である」と回答し、施策推進において物理的なリソースよりも“人の気持ち”が障壁となっている現実が明らかとなった。

本調査は、2025年2月20日から3月20日にかけて実施され、有効回答数は63件であった。調査の背景には、大阪・関西万博を控え、地方においても急速な受け入れ体制の整備が求められる状況がある。MATCHAは自治体や観光団体との日々の接点の中で、現場の「動きたくても動けない」声を受け、本調査により定量的な実態の把握を試みた。

(出典:株式会社MATCHA)

注目すべきは、インバウンド業務の担当経験が「3年未満」である人が全体の約45%を占めていた点である。これにより、ノウハウの継承や共有が進まず、施策の継続性や質の担保に不安が残る状況が浮き彫りとなった。加えて、「インバウンド誘客に積極的に取り組みたい」と回答した担当者の約29%が、インバウンド関連業務に割ける時間は“週2時間未満”と答えており、他業務に押されて実務面では後回しになっている実態も確認された。

(出典:株式会社MATCHA)

また、ターゲット市場の設定においても課題が見られた。最重点市場として「台湾」を挙げた担当者が最多(30.2%)であったが、「設定なし」(17.5%)や「無回答」(25.4%)を含めると、4割以上が明確なターゲットを定めていないことになる。施策の方向性を定める上で不可欠なターゲティングにおいて、現場での混乱や準備不足が顕著となっている。

このような課題に対し、MATCHAでは多言語情報発信支援ツール「MATCHA Contents Manager(MCM)」をはじめ、マーケティング支援、セミナー、業界横断型イベント「インバウンドサミット」の開催などを通じて、無理なく続けられるインバウンド施策の実装支援を行っている。

MATCHAは今後も、現場の声に耳を傾けながら、地域ごとの課題に寄り添い、持続可能なインバウンド推進のパートナーとして支援を強化していく方針である。

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