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2025年出張トレンド調査:熊本をはじめとする世界8都市が注目都市に

アメリカン・エキスプレスは、最新の出張トレンド調査「Amex Trendex: Business Travel Edition」を発表した。調査によると、米国のシニアビジネスリーダーの9割以上が、今後12か月間の出張について「現状維持」または「増加」と回答しており、変化の激しい環境下においても出張の重要性と価値が再確認された。

(出典:American Express International, Inc.

同社のエグゼクティブ・バイスプレジデント兼ゼネラル・マネージャーは、出張分野が成長を続けていると述べ、企業は費用対効果やコンプライアンスの管理を強化しつつ、従業員に円滑な出張体験を提供する必要があると指摘した。米国のみならず世界各地で出張件数が増加しており、それが地域経済の発展にも寄与していると強調している。

今回の調査は、米国の出張者1,005名と出張関連の責任者502名を対象に実施された。出張が増加する理由として「クライアントとの時間を維持・拡大するため」(64%)、「新規・追加ビジネス獲得のため」(59%)が挙げられた。また責任者の92%、出張者の88%が「対面会議には出張する価値がある」と回答。企業の93%は「対面の会議やイベントがビジネス成長に貢献する」と認識し、出張者の87%も「クライアントとの関係はバーチャルより対面の方が良好になる」と答えている。

出張は人材獲得や定着の手段としても機能している。出張者の84%が「仕事の魅力のひとつ」と考えており、特にZ世代やミレニアル世代では88%に上る。若年層は出張体験への満足度が高い一方で、生産性やウェルネス面の課題をより強く意識している点が特徴である。

今回アメリカン・エキスプレスは、初めて米国外の都市を「出張需要が拡大している注目都市」として選定した。日本の熊本、アイルランドのコーク、スウェーデンのマルメの3都市に加え、米国内からはリッチモンド(バージニア州)、コロンバス(オハイオ州)、チャールストン(サウスカロライナ州)、ボイジー(アイダホ州)、ニューオーリンズ(ルイジアナ州)の5都市を発表している。法人顧客の利用状況やホテル・航空券取引の伸びを基に、特に注目すべき出張先と位置付けている。

注目都市の概要として、熊本は半導体産業の拠点として関連企業の集積が進み、国際的なビジネス拠点となっている。コークはテクノロジーとライフサイエンスを強みとし、国際的な接続性と観光資源を兼ね備える。マルメはテクノロジーやゲーム産業を中心にスタートアップエコシステムが発展しており、近隣のコペンハーゲンとの連携で競争力を高めている。

米国内では、リッチモンドが経済開発地区の整備とビジネス支援体制により企業誘致を進めており、コロンバスはスタートアップや研究機関の集積で急成長している。チャールストンは観光都市としての魅力に加え、主要産業や起業支援が地域経済を押し上げている。ボイジーは人口流入と低コストの生活環境を背景にテクノロジーやクリーンテック産業が進出し、ニューオーリンズはコンベンション都市としての存在感を高めている。

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