観光庁は観光支援事業「Go To トラベル」に関する不適切な給付金受給事案について、新たに2社が不適切な受給事案に関与している疑いがあると発表した。観光庁はこれらの事案の事実関係等の全体像の解明に向けた調査を進めるとしている。
2社のうち1社は6億3000万円を申請
観光庁はエイチ・アイ・エス子会社2社等のGo To トラベル事業に関する不適切な給付金受給事案について、これまでの調査で、不正に給付金申請するなど額が最大11億4100万円余りに上ることを明らかにしている。
この調査の結果、「旅工房」と「トラベル・スタンダード・ジャパン」の少なくとも2社が宿泊の実態がないにも関わらず、宿泊したとGo To トラベルの給付金を申請し、不正に受け取っていた疑いがあると発表した。
2社のうち「旅工房」は外部の弁護士をトップとする調査委員会を設置したと発表。Go To トラベル事業の給付金として6億3000万円を申請していたとのこと。同社は2月10日の決算発表を延期し、「調査に全面的に協力していく」とのコメントを出した。
「トラベル・スタンダード・ジャパン」は、「事務局からの指摘を受け、当社自身の受給申請につき調査を実施しております。調査結果が明らかになり次第、改めてご報告させて頂きます」との声明を発表している。
観光庁は引き続き調査を進め、これらの事案の事実関係等の全体像の解明に向けた調査を進めるとしている。
なお観光庁は再発防止策として、新たなGo To トラベルの開始時において、以下措置等を講じる。
◯給付金支払いに係る審査の厳格化
◯不正利用の疑いのある案件の調査対象の拡大
◯参加停止事業者の公表
◯審査等に係る体制の強化
◯外部通報制度の強化