観光庁は、民泊事業の届出の手続が煩雑との指摘を踏まえ、関係自治体に対して届出事務に係る実態調査を実施。観光庁は添付書類の迅速化等を関係自治体にこれまでも求めてきたが、未だ改善されていない自治体や不適切な運用の事例があるとして、名指しで早急な改善を求める通知を発した。
事実上届出を断念させる過剰な手続き、受理期間の長期化
観光庁は、本日11月22日、住宅宿泊事業(民泊)の届出の手続が煩雑との指摘を踏まえ、関係自治体に対して届出事務に係る実態について調査を実施、その結果について公表した。
観光庁では、これまでも添付書類の迅速化等を関係自治体に求めてきたところ、未だ改善がなされていない自治体がみられることから、不適切な運用が行われている事例及び自治体名を公表するとともに、行政手続法に違反するおそれがある行為や不適切な手続の事例等について関係自治体へ通知を発出し、早急な改善を求める。
住宅宿泊事業法(民泊新法)においては、健全な民泊の普及を図るため、住宅宿泊事業を届出制とし、届出事項や添付書類については、事業者や物件の特定に必要な事項等に限っている。 一方で、一部の自治体における条例や運用による手続の上乗せ措置が、届出が伸び悩んでいる一因になっているとの指摘があったことから、住宅宿泊事業法事務を担う101自治体(47都道府県、31 保健所設置市、23特別区)に対して調査を行った。
調査結果としては具体的には、以下のような不適切な例が挙げられた。
・ 一律に立入検査等を届出の要件とすること
・ 周辺住民等への事前説明について、届出前に長期にわたる周知期間を設けることや、広範な地域の住民の同意を義務付けるなど事実上届出を断念せざるを得ないような過剰な手続を求めること
・ 住宅宿泊事業法第6条に規定する安全措置について、建築士による確認又はチェックリストへの署名等、本来不要な手続を一律で届出の必須事項とすること
・ その他、届出の提出前にかかる期間を含めて届出の受理までに要する期間が、数ヶ月を要するような過剰な手続を求めること
などである。
観光庁は、これら事例についてあらためて、住宅宿泊事業の届出に係る手続の運用のあり方についての考え方を整理し、関係自治体に対して、民泊事業の届出に係る手続が適正に運用されるよう、早急に必要な見直しを求めている。
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