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エアビーがNY市と激しく対立ーホスト情報の開示をめぐり

Airbnbがニューヨーク市と同社のプラットフォームにおけるホストの名前と住所などの情報開示をめぐって対立を激化させている。

ホスト情報開示を巡りAirbnbと市の対立が激化
Airbnbは最大の市場の一つであるニューヨーク市で、市議会における同社のプラットフォーム上のホストの名前と住所などの情報開示を求める条例の制定の動きについて激しく反発をしている。
同社は開示を求める市議のメンバーの多くはホテル業界から巨額の献金を受けておりバイアスを持っていると激しく批判する。
対立に拍車をかけているのは同社だけではない。昨年米ホテル業界はテロリストがAirbnbの物件を使用していることを示唆するネガティブ宣伝キャンペーンを実施した。
同条例が市議会を通過すると、不法な賃貸事業を調査する同市市長室の特別措置課(the Mayor’s Office of Special Enforcement)が直接にホストの名前と住所に基づいて短期間の住宅賃貸事業者への調査を実施することになる。
市の担当者は同情報は市が不法な賃貸を摘発する上でそれを容易にするものであると語る。
同社は同情報を提供することによって不法に賃貸を行なっている者だけでなく、プラットフォームを利用して合法的に権利を行使している者まで不当に罰せられることになることを懸念しているという。
この対立は同社と同市が8年間にわたり対立を続けている問題で、同社のCEOのBrian Chesky氏は「終わりが見えない」と語っている。
同社は類似の対立をその他の市でも抱え、サンフランシスコ、シカゴ、シアトル、バンクーバーなどのいくつかの都市では最終的にデータ共有協定を締結することで合意にいたっている。

開示を求める条例推進派が優勢
現状、同社はこの対立において劣勢になっており、同市の市議会議員51名のうち40名が同条例に賛同の意を示している。
Corey Johnson市議会議長は「Airbnbは、市の要求に反し違法リスティングのデータの公開を拒んでいる。手頃な住宅が怪しげな業者によって貸し出されることを防ぐために、同社が怠っている作業を議会として進めなければならない」と述べた。
同条例が通過し、ホストが名前と住所などの情報を開示しなかった場合の罰則などについてはまだ明らかとなっていないが、開示を求められるのは名前や住所だけではなくリスティングしている物件が全て貸し出されているのか、ワンルームのみかなど運営の仕方に関わる情報を含むという。

同社は来年にも新規株式公開(IPO)で上場を準備する方針を明らかにしているが、世界の宿泊業界に新風を吹き込む同社の動向は時に喧騒を交えつつ、日本を含めた世界の関心を集めている。

Recodeなど複数の米メディアが報じている。

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