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民泊物件数が全国4位・伸び率85%の沖縄県で、民泊物件がホテルに与える影響とは

現在、全国的に民泊物件が急増している中、リゾート地として名高い沖縄県でも民泊物件は増加の一途を辿っている。本稿では沖縄県の民泊事情、さらに民泊物件が増えることによる影響を各種データから考察した。


沖縄県の民泊物件数は全国第4位
東京や大阪といった大都市や京都などの観光都市を中心に民泊物件数は多いが、沖縄県も例外ではない。
メトロエンジンリサーチによると、2017年10月現在、沖縄県の民泊物件数は2,471件で、物件数の全国ランキングでは、東京都、大阪府、京都府に次いで全国第4位にランクイン。
2016年10月の時点の物件数は、1,338件で1年間の伸び率は85%に達する。沖縄の民泊物件伸び率は、全国でもダントツトップの伸び率となっている。
全国平均の伸び率は29%で東京都は22%、大阪府は17%だった。沖縄に次いで伸び率が高い第2位の北海道は60%で、沖縄県の民泊物件の伸び率が突出していることが分かる。
この背景には、沖縄県を訪れる観光客数が増えていることも要因の一つ。
沖縄県が発表している観光データによると、2016年に沖縄県を訪れた観光客は876万人を記録した。これは過去最高の記録で、前年と比べると80万人余りが増加。民泊物件数増加の背景には観光客数の急増の影響が見て取れる。

出典:メトロエンジンリサーチ

市区町村別では那覇市が726件で最多
沖縄県の民泊物件を市区町村ごとに見みると、市区町村ごとの民泊物件数トップは那覇市で726件。那覇市の2016年10月時点の民泊物件は382件だったことから、この1年間の物件数の伸び率は90%にもなる。

出典:メトロデータ

県内2位は恩納村で236件、3位は北谷町で187件だった。那覇市から比較的距離が離れている中部、北部のリゾートエリアが上位にランクインしていることが分かる。
また、沖縄県の民泊事情の特徴として、前年同月比で100%を割り込む市町村がないという点も挙げられる。沖縄県全体で民泊物件がある自治体は34あるが、すべての市町村で前年同月比100%以上を記録している。

民泊の増加が及ぼす既存の宿泊施設への影響度とは
ここまで見てきたように、沖縄県ではエリアに関わらず民泊物件が増えている。民泊物件が増えることによって、影響を受けざるを得ないのが既存の宿泊施設である。
リゾートホテルやシティホテルは、客層や価格帯の違いから受ける影響は限定的だろうと見られているが、メトロエンジンリサーチによると、2017年9月時点のホテルに与える民泊影響稼働率は8.5%にも及び、2016年9月の4.9%と比べても大きく変化している。

出典:メトロエンジンリサーチ

これは、あくまでも民泊物件が沖縄に存在せず、その観光客がビジネスあるいはシティホテルに宿泊したことを仮定した場合であるが、増える民泊物件がホテルに影響を与えている可能性は十分に考えられる。民泊の普及によって、沖縄県の宿泊事情がどのように変化していくか、今後も注視していきたい。

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