北海道札幌市と株式会社チェンジホールディングスの子会社である株式会社DFA Roboticsは、人口減少に適応した持続可能な都市づくりを目的として連携協定を締結した。両者はロボティクスを活用し、地域課題や社会課題の解決、行政施策の効率化・省力化、市内の人手不足の解消に向けた取り組みを官民連携で推進する。第一弾の取り組みとして、札幌市特有の課題である除雪・排雪作業の負担軽減を目的に、自動除雪ロボットの実証実験を行う予定である。
本協定では、札幌市とDFA Roboticsがそれぞれの人材・技術・ノウハウを活かし、人口減少の進行下でも地域経済力の向上と新たな価値創造を図ることを目的としている。特にロボティクスを活用した行政の効率化や人手不足の解消を重点分野とし、実証実験をその第一歩と位置付けている。札幌市では民間事業者との協働を推進する「SAPPORO CO-CREATION GATE」を運営しており、DFA Roboticsはこの枠組みを通じて、人口減少・高齢化に伴う人手不足への対応としてロボット技術の利活用を提案した。
札幌市では近年、断続的かつ集中的な大雪により交通や物流、市民生活に大きな影響が及んでおり、除雪・排雪作業に多大な人員とコストが必要となっている。担い手不足も深刻化しており、効率的で持続可能な除排雪体制の構築が課題である。こうした状況を踏まえ、両者はロボティクス技術を活用した新たな除雪・排雪手法の社会実装を目指す。
今後は、歩道や公共施設周辺など除雪負担が大きいエリアでのロボット活用を想定し、走行環境調査やオペレーション設計を進める。また、札幌特有の粉雪や凍結などの気象条件に対応した仕様検討を行うほか、自治体との協働体制構築にも取り組む。2025年度冬季に実証を実施し、得られたデータをもとに性能改善を図る予定である。
DFA Roboticsは、全国3,500台を超える導入実績と24時間体制のサポート網を持つロボティクス企業であり、配膳・清掃・搬送など幅広い分野で自律走行技術を提供している。今回の協定を通じて、札幌市の冬期課題と人手不足の両面に対応し、将来的には商業施設や住宅地などへの展開も視野に、持続可能なまちづくりの実現を目指す。