昨日ホテルバンクでは、船井総合研究所が提供する「Judge Price」における、消費者であるホテルを欺くかのような営業手法について、詳細に報じた。「船井総合研究所が提供するレベニューマネジメント「Judge Price」を深く掘り下げる」
ホテルバンク編集部では引き続き同社の調査を行い、サイトコントローラー各社が定める重要な利用規約違反の疑いが発覚したため、以下報じる。
上記のスクリーンショットは2021年12月17日現在閲覧不可能となっているが、12月16日まで閲覧が可能であった船井総合研究所の同ツールの公式サイトに掲載されていたものである。
昨日の記事では、上記の「RPAツールを活用した」の文言について、船井総合研究所がサイトコントローラー各社と正式な契約を経ず、API接続していない可能性とそのリスクについて報じた。ホテルバンク編集部が引き続き調査を行った所、本日時点でサイトコントローラー各社とは契約がされておらず、API接続がされていないことが確認された。これがどういう意味であるか、以下詳報する。
サイトコントローラー各社は自社で提供するツールの安定性・安全性を担保するため、様々な規約を設けている。その中には第三者にログイン情報の共有を禁止する事項や、サイトコントローラーとの契約者であるホテルが情報漏洩しないことや、再委託の禁止を規約する内容が含まれている。
Judge Priceがサイトコントローラー経由で各OTAに価格反映することを謳っている事実と、ホテルバンク編集部が確認した同社とサイトコントローラー各社との契約が存在しない事実を踏まえると、船井総合研究所と契約し、ログイン情報を船井総合研究所へ提供したホテルはサイトコントローラー各社との利用規約違反となる可能性が高い。
利用規約違反と認定されたホテルは、サイトコントローラー各社が定める、契約の解除事由となることを改めて確認したい。サイトコントローラーとの契約解除となれば、当然OTA間の在庫管理ができなくなるためホテルにとっては死活問題となるだろう。また、規約には契約解除にとどまらず、違反にかかわる損害賠償請求権にも言及されていることを改めて確認したい。