2023年2月時点の愛知県のホテル展開状況をお伝えする。
愛知県のホテル展開分布
メトロエンジンリサーチによると、愛知県の新規開業ホテルの分布は名古屋市に集中している。 愛知県全体では名古屋市に集中。
名古屋市内では中区に集中。
愛知県の新規開業施設は名古屋市に集中
名古屋市に約67%が集中
2023年〜2026年にかけて愛知県の新規開業施設は7施設・1,353室が予定されており、そのうちの5施設・908室が名古屋市に集中している。
新規開業施設 (部屋数) |
愛知県 | 名古屋市 | 名古屋市の割合 |
増加予定 |
1,353室 | 908室 | 約67% |
出典:メトロエンジンリサーチ
名古屋市の新規開業施設は中区に集中
中区に約63%が集中
2023年〜2026年にかけて名古屋市の新規開業施設は5施設・908室が予定されているが、約63%の3施設・570室が中区に集中している。
順位 |
名古屋市 | 部屋数(推定) | 割合 |
1位 |
中区 | 570室 | 約63% |
2位 |
名東区 | 230室 | 約25% |
3位 |
西区 | 108室 | 約12% |
合計 |
908室 |
出典:メトロエンジンリサーチ
名古屋市シェア(部屋数)
出典:メトロエンジンリサーチ
名古屋市の新規開業予定施設を一部紹介
メトロエンジンリサーチによると、2023年〜2026年に開業予定の新規施設・部屋数トップ3は以下の通り。
順位 |
区 | 開業予定時期 | 施設名 | 部屋数 |
1位 | 中区 | 2024年10月ごろ | (仮称)ザ ロイヤルパークホテル アイコニック名古屋 |
250室 |
2位 | 名東区 | 2024年10月ごろ | (仮称)ホテルルートイン藤が丘駅前 |
230室 |
3位 | 中区 | 2026年7月ごろ | コンラッド名古屋 |
170室 |
出典:メトロエンジンリサーチ
部屋数トップ3は、新規開業が集中している中京区に加え名東区となった。
1位の「(仮称)ザ ロイヤルパークホテル アイコニック名古屋」は、インバウンドゲストを含めた多様な宿泊ニーズに応えるプレミアム宿泊主体型ホテル。株式会社ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツのフラッグシップブランドとして、2020年3月に開業した「ザ ロイヤルパークホテル 大阪御堂筋」に続いての開業となる。
2位の「(仮称)ホテルルートイン藤が丘駅前」は、スタジオジブリの世界を表現した公園施設「ジブリパーク(2022年11月オープン)」の玄関口として注目の名東区・藤が丘に開業予定。名東区はベットタウン的な性格が強いからか、これまで大手ホテルチェーンによるビジネスホテルの進出は見られなかったが、ここへ来て、ビジネスホテルの進出計画が予定されている。
3位は、ヒルトンの最上級ラグジュアリーブランド「コンラッド・ホテルズ&リゾーツ」が展開する「コンラッド名古屋」。同ホテルは、地下鉄栄駅直結の地上41階建ての複合ビルの10-11階および31-41階に位置し、商業施設やシネマコンプレックス、オフィスも入り、ヒルトンにとって名古屋は「ヒルトン名古屋」に続く2施設目、初のコンラッド進出となる。
2019年以降、名古屋市は開業ラッシュ
名古屋市内では2019年以降、ホテルの開業ラッシュが続いている。2023年以降は、一定の落ち着きを見せているが2019年から2022年の4年間で9,821室が増加しており、2018年1月時点での部屋数(30,544室)と比較すると約32%の増加(約1.32倍)となっている。
開業時期 |
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 合計 |
増加室数 |
2,657室 | 3,050室 | 2,568室 | 1,546室 | 9,821室 |
ジブリパークは大きなインパクト
2022年11月、スタジオジブリの世界を表現した公園施設「ジブリパーク」が愛・地球博記念公園内に開業。パーク内にはスタジオジブリの名作の世界を表現した5つのエリア(2エリアは2023年秋に完成予定)があり、まるで映画の主人公になったような気分で作品の世界を体感できる。愛知県の試算では訪問客は年間180万人、経済効果は年間480億円を見込んでおり、東海3県だけでなく、全国からの集客が期待されている。
2026年開催のアジア大会やリニア中央新幹線の開通
名古屋市では、2026年開催のアジア大会やリニア中央新幹線の開業など、海外からの観光客の増加が期待されている。愛知県と名古屋市では一定数のスイートルームを備えた高級ホテルの建設に対して、それぞれ最大で10億円の補助金を出す制度で、国際会議や海外富裕層の誘致を後押ししている。インバウンドも徐々に戻ってきている中、アフターコロナに向けた観光需要は、コロナ前に近い水準に戻ることが期待される。
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